五月の雪?! 客家の里の春の風物詩
2006年5月15日
冬でも、高い山の上だけで数日しか雪が降らない台湾で、4月の下旬〜5月の初旬にかけて『五月の雪』が見られると言います。それは客家の里を中心に開催される「油桐花節」です。
油桐花とは、その種子から油紙や傘などに使われるアブラギリ(桐油)と呼ばれる油が採取できる樹木で、真っ白い花を一度にたくさん咲かせます。白い花が固まって木々の上に咲く様子は、まるで雪が木々に降り積もったように見え、また、風や雨などで花が散ると山道が白く染まり、雪が降り注いだかのような道が出来上がります。その様子をロマンチックに雪にたとえ「五月の雪」と呼んでいます。
油桐花は、日本統治時代に広められたものと言われていますが、その後、多くの客家人たちが油桐文化を守り発展させたため、今では客家の里には必ずあると言われています。
油桐樹は台湾全土に分布していますが、北部では、平渓、土城、三峡、汐止周辺、その他の地域では、龍潭、南庄、三義などの苗栗を中心とした客家文化の残された場所が「五月の雪」の見所とされています。
日本の桜のように、季節によって満開の時期が微妙に異なり、雨風などの天候にも左右されるので、なかなかタイミングよく満開を楽しむのは難しいですし、お花見のように油桐花のなかで酒盛りをすることはありませんが、擂茶(2004年10月紹介)を初めとした独特な客家文化や客家料理を楽しみながら、春の爽やかな風の中で体験する五月の雪は、一見の価値ありです。
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