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ピアス 刺心

ピアス 刺心(刺心切骨/Pierce)

監督:ネリシア・ロウ
脚本:ネリシア・ロウ
撮影:ミハウ・ディメク
編集:ネリシア・ロウ、エリック・メンデルソン
美術:マーカス・チェン、シュ・グゥイティン
衣装:リー・ルオシュン
音響:ドゥ・ドゥーチー、ウー・シュウヤオ
音楽:ピョートル・クレク
出演:リウ・シウフー、ツァオ・ヨウニン、ディン・ニン、リン・ジーホン、ローゼン・ムー

2024年/シンガポール・台湾・ポーランド
日本公開日:2025年12月5日
カラー/1.66:1 ビスタ/5.1ch/DCP/106分
字幕:中沢志乃
配給:インターフィルム
©Potocol_Flash Forward Entertainment_Harine Films_Elysiüm Ciné

2024年 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭
 最優秀監督賞(ネリシア・ロウ)
2024年 ラ・ロッシュ=シュル=ヨン国際映画祭
 国際コンペティション部門 審査員グランプリ
 トラジェクトリー・アワード(ネリシア・ロウ)
2024年 トロント・リール・アジアン国際映画祭
 Best Feature Film Award 作品賞
2024年 QCinema 国際映画祭 パイロン・アワード
 芸術貢献賞(マーカス・チェン、シュ・グゥイティン)
2025年 ローマ・アジアン映画祭
 最優秀男優賞(リウ・シウフー、ツァオ・ヨウニン)

poster

story

 少年時代、ジージエは川で溺れかけたことがある。母が橋の上で叫んでいる。「ジーハン!弟を助けて」川辺にいた兄のジーハンが手を伸ばし、なんとか助かったのだが…。

 ジージエ(リウ・シウフー)はフェンシングクラブに通っている。兄ジーハン(ツァオ・ヨウニン)は全国大会で3回も優勝するほどの腕前だ。だが7年前、試合中に事故が起こり、相手を刺し殺した罪で服役している。クラブではジージエの兄はサイコパスと噂されていた。

 母のタン・アイリン(ディン・ニン)はナイトクラブで英語のオールディーズナンバーを歌う歌手だ。父は早くに亡くなり、母にはチュアンさん(リン・ジーホン)という優しい恋人ができていた。週末、チュアンさんの家族と初めての食事会に招かれ、ジージエも同席する。兄は海外に留学していることになっていた。

 同じ頃、ジーハンは6年の刑期を残して仮出所になった。ジージエは母に隠して刑務所へ行き、出所する兄をこっそりと見届ける。

 ジージエがフェンシングクラブの庭に出てひとりで休憩していると、ジーハンが現れた。驚いたジージエが疑惑をぶつけると、ジーハンはあれは事故だったんだと説明する。昔に戻りたいという兄と話しているうちに、ジージエは兄を信じることにした。練習が終わると、ジージエはスーパーで働いている兄を訪ね、こっそりとお金を渡した。

 クラブでは全国大会へ向けた選手選抜が始まっていた。ジージエはまったく自信がなかったが、ジーハンのアドバイスで腕をあげ、めきめきと上達していく。そんなジージエに仲間のジンフエ(ローゼン・ムー)は優しかった。ジージエの様子を隠れて見守っていたジーハンは、弟の気持ちを察して恋の後押しもする。

 ジージエがジーハンと会っていることを知った母は、フェンシングをやめさせようとするが、全国大会の選手に選ばれたジージエはジンフエと一緒に大会に出ることにする。ところが、マスクをつけて練習に紛れ込んだジーハンがまた事故を起こし、信頼が揺らいでいく…。

アジコのおすすめポイント:

「愛」と「信頼」が試されるヒューマンドラマです。対戦中の事故が殺人とみなされ少年院に服役した兄を持つ弟。母親が新たな幸せをつかもうとしている矢先、その兄が仮出所で戻ってきます。兄を危険視する母親。一方、フェンシングで繋がった兄弟は密かに関係を深め、弟は兄を信じるようになる。兄にも普通の生活に戻りたい願望があり、兄としての自覚も芽生え…というところで、更なる試練が待っています。監督はシンガポール出身の新鋭ネリシア・ロウ。台湾で起こった殺傷事件を元に、一流のスタッフと台湾の俳優を起用。自閉症の兄を持つ監督自身の心の葛藤を重ね合わせ、台湾で長編デビュー作として完成させました。元フェンシングの国家代表だっただけに、フェンシングのシーンにもこだわりがあり。主演は新人のリウ・シウフーとすっかり俳優として活躍中のツァオ・ヨウニン(『KANO 〜1931海の向こうの甲子園〜』)。イケメン2人はルックスもちょっと似ていて、兄弟役にぴったりです。ふたりともフェンシングは初めてで、8ヶ月も特訓をしたそう。どちらも難しい役柄ですが、激情に翻弄される弟と心を顔に表さない兄を見事に演じています。アジクロでは11月にネリシア・ロウ監督を単独インタビュー。主人公2人の来日舞台挨拶も取材しましたので、そちらも参照の上、本編をご堪能ください。(ネタバレがあるので、結末を知りたくない方は観賞後にどうぞ)

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