監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
脚本:アピチャッポン・ウィーラセタクン
撮影:サヨムプー・ムックディプローム
編集:リー・チャータメーティクン
美術:アンヘリカ・ペレア
音響:アクリットチャラァーム・カラヤナミット
音楽:セザール・ロペス
出演:ティルダ・スウィントン、エルキン・ディアス、ジャンヌ・バリバール、フアン・パブロ・ウレゴ、ダニエル・ヒメネス・カチョ、アグネス・ブレッケ
2021年/コロンビア・タイ・英・メキシコ・仏・独・カタール
日本公開日:2022年3月4日
カラー/1.85:1/136分/スペイン語・英語
字幕:杉田洋子
配給:ファインフィルムズ
©Kick the Machine Films, Burning, Anna Sanders Films, Match Factory Productions, ZDF/Arte and Piano, 2021.
2021年 カンヌ国際映画祭 審査員賞
2021年 シカゴ国際映画祭 金のヒューゴ賞(作品賞)
2021年 ヘント国際映画祭 スペシャルメンション
2022年 国際シネフィル協会アワード
音響賞(アクリットチャラァーム・カラヤナミット、
ラウル・ロカテッリ、ジャヴィエル・ウンピエレス)
2022年 オンライン映画批評協会アワード 音響賞
2022年 アカデミー賞 国際長編映画賞コロンビア代表
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MEMORIA メモリア(Memoria)
story
夜明前。ジェシカ(ティルダ・スウィントン)は轟音で目覚める。それはまるで、地球の核が震えるような響きだった。駐車場の車の警報が一斉に鳴り出した。眠れなくなったジェシカは、入院中の妹カレン(アグネス・ブレッケ)に付き添う。音響スタジオを訪れたジェシカは、エルナン(フアン・パブロ・ウレゴ)という若者に自分が聴いた音を再現してもらった。
エルナンが仕上げた音をデータにして持ってきてくれた。花を保管するための冷蔵庫探しにも付き合ってくれた。カレンが退院し、ジェシカは家族での食事会に招かれる。仕事で出会ったアマゾン流域の見えない部族の話をするカレン。ジェシカの頭の中で、あの音が何度も響いた。
エルナンを探しに音響スタジオに行くジェシカ。だが、スタジオにそんな男はいないという。ジェシカは建設中のトンネルで見つかった発掘現場を訪れる。病院で知り合った考古学者アニエス(ジャンヌ・バリバール)に教えてもらったのだ。そこでは、太古の人骨が発見されていた。
眠れない夜が続くジェシカは、ついに医者に診てもらう。だが、依存症になるからと、薬は出してもらえなかった。トンネルの近くに小さな村があった。小川のせせらぎに誘われ、川を眺めているとまた音がした。音は徐々に大きくなっていく。そんなジェシカに「大丈夫?」と男が声をかける。
魚の鱗取りをしている男はエルナン(エルキン・ディアス)と名乗った。全てを記憶しているので、見るものを制限しているという。彼はジェシカの身元を言い当てた。彼と一緒にいるうちに、ジェシカに様々な記憶が蘇ってくる…。
アジコのおすすめポイント:
南米コロンビアのボゴタを舞台に、突如聴こえるようになった轟音の正体を探る旅に出る女性の物語です。監督はアピチャッポン・ウィーラセタクン。初めてタイを離れ、ティルダ・スウィントンを主演に迎えて、プロの俳優たちとの映画撮影に挑みました。謎が明らかになる村があるのはピハオ。病院、都会の建築物、森、雨、水の音…と、国や役者が違っても、それはいつものアピチャッポン・ワールド。ゆったりとしたリズムのロングテイクが、独特の世界へ誘ってくれます。賑やかな都会のボゴタと、自然が豊かなピハオの対比も効果的。監督自身が患ったという「頭内爆発音症候群」から着想を得たという本作。果たして、その音の驚くべき正体とは?! パルムドールに選ばれた『ブンミおじさんの森』に続く、昨年のカンヌ映画祭での審査員賞受賞作です。
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