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監督:アスガー・ファルハディ
脚本:アスガー・ファルハディ
撮影:マームード・カラリ
編集:ジュリエット・ウェルフラン
美術:クロード・ルノワール
出演:ベレニス・ベジョ、タハール・ラヒム、アリ・モッサファ、ポリーヌ・ビュルレ、ジャンヌ・ジュスタン、エリエス・アギス、サブリナ・ウアザニ、ババク・カリミ、ヴァレリア・カヴァッリ

2013年/フランス・イタリア
日本公開日/2014年4月19日
カラー/ビスタ/ステレオ/130分
配給:ドマ、スターサンズ
(c)Memento Films Production - France 3 Cinema - Bim Distribuzione - Alvy Distribution - CN3 Producions 2013
2013年 カンヌ国際映画祭 エキュメニカル審査員賞
 主演女優賞(ベレニス・ベジョ)
2013年 ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 外国語映画賞
2013年 南部オスロ映画祭 観客賞
2013年 ニューヨーク映画批評家協会賞 外国語映画2位
2013年 ダーバン国際映画祭
 脚本賞(アスガー・ファルハディ)
2014年 パームスプリング国際映画祭
 主演女優賞(ベレニス・ベジョ)
2014年 Chlotrudis 賞 作品賞
 監督賞・脚本賞(アスガー・ファルハディ)

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ある過去の行方(The Past)

story

 パリの空港。テヘランからパリへ戻ってきたアーマド(アリ・モサファ)は、かつて夫婦としてともに暮らしていた薬剤師のマリー=アンヌ(ベレニス・ベジョ)に迎えられる。4年ぶりの再会は、離婚協議を行い、正式にふたりの関係に終止符を打つためだった。

 久しぶりに、かつて家族として過ごした家へ帰宅するアーマド。庭では幼い次女レア(エリエス・アギス)が見知らぬ少年と遊んでいる。少年はクリーニング店を営むサミール(タハール・ラヒム)の息子ファッド(ジャンヌ・ジェスタン)で、彼らはすでに新しい生活を始めていたのだった。

 しかし、家の中には不穏な空気が漂っていた。混沌とした室内。子どもの悪戯にヒステリックな声を上げるマリー=アンヌ。長女リュシー(ポリーヌ・ビュルレ)は、母とサミールとの交際を受け容れず、反抗的になっていた。マリー=アンヌは、アーマドを好いていたリュシーと話してくれるようアーマドに頼む。

 調停成立の直前、マリー=アンヌは、妊娠していることをアーマドに打ち明ける。それを聞かされたリュシーは混乱し、アーマドに驚くべき告白をする。サミールには鬱病で自殺未遂を起こして植物状態になった妻がいて、原因はマリー=アンヌとサミールの不倫だったというのだ。

 病気による衝動か。それとも夫の不貞を知ったせいか。サミールの妻の行為の原因を巡り、それぞれの見解が交錯。謎は謎を呼び、疑惑が深まっていく…。

●アジコのおすすめポイント:

『別離』で世界的に注目されたイランのアスガー・ファルハディ監督が、フランスに招かれて作り上げた作品です。『彼女の消えた浜辺』『別離』と同じく、本作でもある事件に関する謎が暴かれていく過程がスリリングに描かれ、それに関わる人々や家族の心が揺らいでいきます。1つにまとまっていたものが、あるほころびから、バラバラにほどけていく感覚。事件の真相とは別に、それぞれの感情や思いが、それぞれの真実となって立ち上がってきます。複数のストーリーを組み合せ、1つの状況へ導くことで脚本を作っていくという監督。そこから派生した疑問を解いて行くことが、物語になっていくのだとか。彼らはこれからどうなっていくのか。ぜひ、劇場で答えを探してみてください。


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