モーターウェイ(車手/Motorway)
story
卓越した運転技術を持つ若手警官ショーン(ショーン・ユー)はベテラン警官のロー(アンソニー・ウォン)と共に、ステルスと呼ばれる覆面パトカーチームで交通犯罪を取り締まっている。今日も2台の車を追跡して捕らえるが、Mパワーを搭載したBMW Z4に逃げられ単独追跡。結局、取り逃がした上、市民から苦情が出て、署長(ラム・カートン)からレーダー監視に変えさせられてしまう。
捕まったのは大陸から来た強盗団の一味、ウォン(リー・ハイタオ)だった。首領のタン(リー・グァンジエ)は、大陸にいる伝説の逃がし屋ジェンセン(グォ・シャオドン)にウォンの救出を依頼する。香港に到着したジェンセンは、隠していた愛車、89年製のシルビアを修理して改造。逃走経路を点検した後で、車に大麻を乗せて置き去りにする。
翌日、レーダー監視中のショーンたちにわざと捕まったジェンセンは、警察の駐車場にシルビアが保管されていることを確認。拘置所に入る時、外の仲間に連絡し、停電したすきにウォンを救出してシルビアで逃走する。ショーンが追跡するが、途中で何度も見失ってしまう。
その頃、ジェンセンのことを思い出したローがショーンを携帯で誘導。路地に入らないよう指示するが、直覚のS字となっている細い路地に入り込み、曲り切れずに逃してしまう。警察署のマダム(ジョシー・ホー)の話から、ジェンセンがかつて「伝説車神」と呼ばれ多数の事件に関わっていたこと、ジェンセンを追跡して路地から抜けだせたのは、以前に刑事課にいたローだけだったことを知る。
ショーンはローにスピンターンを教えてくれるよう頼み込む。過去に大怪我をしたことのあるローはためらうが、自分の若い頃を思い出して秘技を伝授する。それは「8000回転で時速2キロ」。しかし、ローを尊敬するショーンに「車は修理が利くが、人間は違う」と忠告するのだった。
●アジコのおすすめポイント:
『アクシデント/意外』でジョニー・トー監督とタグを組んだソイ・チェン監督が、『軍鶏』で組んだショーン・ユーを主演に、再びジョニー・トー監督の製作のもと、中国との合作で新たなカーバトル・アクションを作り出しました。ショーン・ユーにアンソニー・ウォンで車といえば、『頭文字<イニシャル>D』が思い浮かびますが、本作はポリス・ストーリー。独特な音楽もカメラタッチもジョニー・トーの世界を踏襲しつつも、ショーン演じる主人公の熱い情熱が牽引力となり、「伝説車神」をクールに演じるグォ・シャオドンと火花を散らす展開が見所です。定年退職前のベテランを演じるアンソニー・ウォンとの絆にも、ぐっとくるものがあり泣かされます。その妻を演じるのはミッシェル・イェ。警察署のマダムはジョシー・ホーと、トー組俳優が並びますが、ショーンがナンパしかける外科医役で台湾のバービー・スーが出演。出番は少ないものの、よいアクセントになっています。山道での追跡シーンではドリフトもありますが、今回の見せ場は駐車場でのスピンターンによる追跡劇。狭い場所での追跡がこんなにもドラマチックになるとは! 昨年の香港でNo.1ヒットを記録した本作、2週間の公開ではもったいない。ぜひ、お見逃しなく!
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