軍鶏(Shamo)
story
ある夏の昼下がり、名門私立高校に通う16歳の少年が両親をナイフで惨殺する事件が起きた。彼の名前は成嶋亮(ショーン・ユー)。マスコミが実名報道や顔写真を発表するなか、彼は冷酷な院長・佐伯(石橋凌)が待つ、鯵が崎高等少年院に送られる。気弱で貧弱な彼を待っていたのは、軽蔑され虐げられる地獄のような日々。唯一の心のよりどころだった妹・夏美(ペイペイ)も、娼婦として生きることにしたと告げ、彼のもとを去ってしまう。
すべてを失い、「このままでは殺されてしまう…」と感じた亮は、空手の授業で指導を務める黒川(フランシス・ン)と出会う。かつては伝統を誇る道場・番竜会に所属し、トップクラスの空手家であった彼は、首相暗殺の罪で終身刑になっていた。黒川は、若き日の自分に似た亮に過酷な特訓を課し、亮は次第に鍛えられていく。
出所から3年。夜の街で、亮はマダム相手に男妾をしながら夏美を探していた。巷では、総合格闘技大会「リーサル・ファイト(LF)」がもてはやされていたが、自分が学んだ生き抜くための空手とは異なるショーアップされた存在に、亮は疑問を感じていた。同時に、現・重量級チャンピオンの菅原(魔裟斗)に対し、闘志を剥き出しにしていた。
ある晩、風俗店で夏美と名乗る女性(アニー・リュウ)と出会った亮は、新番竜会会長の山崎(ディラン・クォ)とも知り合う。黒川の弟子だった彼は、亮の才能を見抜いて新番竜会に誘うが、番竜会館会長でLF主催者の望月(ブルース・リャン)から「山崎を倒せばLFに出場させる」と言われた亮は、山崎を再起不能の身体にしてしまう。だが、望月はTV局と謀り、亮をムエタイ王者と闘わせて、公開死刑にしようと企んでいた…。
●アジコのおすすめポイント:
ソイ・チェン監督の『ドッグ・バイト・ドッグ』に続く、ハードでストイックなファイティング・アクション作品です。アクションといっても、前作同様にドラマ部分も丁寧に描かれており、ただのアクション映画ではありません。主人公はなぜ、このような境遇になってしまったのか?に注目です。また今回の作品は、日本の人気漫画が原作。日本を舞台に、空手やK1(本作ではLF)、ムエタイなどの格闘技の世界を描いています。エディソンがひるんだという難しい主人公役を、まさに体当たりで演じるのはショーン・ユー。身体を絞り、これまでにない精悍な風貌で鬼気迫るファイターに変身しています。対する本物のファイター、魔裟斗との対決シーンでは相当苦労した模様。いろんなエピソードを語ってくれたインタビューも、合わせてご覧ください。
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