ウィンター・ソング(如果、愛/Perhaps Love)
story
雪の降る夜、上海の街を走るバスから天使モンティ(チ・ジニ)が降り立った。ある恋人たちの記憶を、再び呼び戻すために。
昔の上海を再現したスタジオで、ミュージカル映画の撮影が開始された。監督のニエウェン(ジャッキー・チョン)は、主演女優のスンナー(ジョウ・シュン)と久しく関係を保っているが、今やスター女優となった彼女が去って行くのではないかと不安を抱えていた。
香港から相手役の人気俳優が呼ばれ、製作記者会見が開かれる。彼、リン・ジェントン(金城武)は、かつてスンナーと恋人同士だったが、彼女の女優への夢が二人を引き裂いた過去があった。今も彼女への思いを胸に秘め、眠れぬ夜を過ごすジェントン。あの愛は本物だったのか…それを彼女に会って確かめるために、彼はこのミュージカルへの出演を決めたのだった。だが、スンナーは無表情を貫き通す。
スンナーが演じるシャオユーは、記憶喪失になってサーカス団に身を寄せ、団長と新しい人生を始めていた。そこへ、かつての恋人チャン・ヤンが現れるが、彼女は彼を覚えていない。ヤンは彼女の記憶を取り戻すためサーカス団に入る。物語の合間に、かつて幸せな恋人同士だった頃の二人の日々が挿入され、それはそのままジェントンとスンナーの物語へと繋がっていく。
−10年前の北京。香港からやって来て、映画学校に通っていたジェントンは、食堂で空腹のスンナーと出会い、彼女を寮に一晩泊めてあげる。次に再会した時、スンナーはクラブのステージに立っていた。苦学生のジェントンが監督への夢を諦め、香港へ帰ろうとすると、スンナーが彼を引き止め、二人は彼女の部屋で暮らすようになる。そして、彼女の夢は歌手から映画スターへと変わっていった…。
●アジコのおすすめポイント:
愛の名匠ピーター・チャンが久々に撮った長編。しかも、豪華キャスト&スタッフによるミュージカル大作。劇中劇というスタイルに現実の物語を重ね合わせ、さらに三角関係という要素も絡ませて、愛とは何かを考えさせてくれます。インド舞踊に彩られたミュージカル部分は豪華で華麗だけど、実は苦い大人の愛の物語です。もう1つのポイントは歌。歌神ジャッキーの歌唱力が素晴らしいことは、言うまでもありませんが(セリフの大半は吹替)、金城くんやジョウ・シュンの歌もなかなかのもの。挿入歌もよいので、サントラ盤もお薦めです。チ・ジニの北京語は吹替ではありません。さすが努力家の韓国俳優。役柄も歌も見事にこなしています。
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