古き場所から新しいものを生み出す
上海城市彫塑芸術中心
2005年12月8日
国際水準の文化都市としての上海を築いていくために、これまで音楽や舞台芸術などの分野に力を注いできた上海市。今度は彫塑作品の展示と交流、創作教育を進める新しい文化基地、上海城市彫塑芸術中心が誕生し、11月にオープン記念の「彫塑百年」展が始まりました。
ここはそもそも上鋼十厰の、鋼を常温圧延する工場だった所で、建物は1950年代の建築物です。敷地内に大きな空き地があり、一部が花鳥市場などに生まれ変わってはいたものの、市街地にあって廃墟のようになっていたこの場所に周辺住民の不満はつのるばかりでした。その処理について検討されてきた中で今回、ここに残る工場の建物の一部を改造する形で保存し、なおかつそこから新しい彫塑作品を世に送り出していく場に生まれ変わらせることに成功したのです。
まだ工事作業は続いており、当面はA、B、2つの展示区を開放する形になりますが、それでも広さは合わせて5000平方メートル以上とかなり広く(最終的な展示面積は約2万平方メートルになる予定)、ゆったりした中で作品を鑑賞することができます。建物の中には冷却プールのあった深い深い穴があったり、一部の機器が残されていたりするのですが、それらもうまく利用されていて、これからがますます楽しみな場所となりそうです。
今回の「彫塑百年」展は、20世紀初頭から現在にいたる中国の著名な彫塑家の代表作品をはじめとして、未来を担う若者の作品まで、その使用材料も様々なバラエティ豊かな展示となっています。もし、年末年始に上海旅行を計画されてらっしゃるなら、ぜひここもチェックしてみてくださいね。
●上海城市彫塑芸術中心
上海市淮海西路570号(胸科医院斜め向かい)
参観料:無料
開放時間:火-日10:00-16:00
月曜休館
※「彫塑百年」展は2006年2月18日まで
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