映画の季節・第2弾! 香港電影金像奨
2006年4月20日
先月お伝えした香港国際映画祭は今年で30周年ですが、香港のアカデミー賞と呼ばれる映画賞・香港電影金像奨は今年が第25回目です。注目の授賞式は香港コロシアムで4月8日夜、盛大に行われました。
昨年はペプシがスポンサーについたため、従来のレッドカーペットがブルーカーペットとなった会場前。今年は赤でも青でもなく紫。大会関係者によれば「赤と青を足せば紫だし、『大紅大紫』(とても人気がある様子)だから」とのことですが、別のイベントの使い回しとの噂も…。
司会はおなじみ曾志偉(エリック・ツァン)と、昨年『情義我心知』ですっかり演技派の仲間入りを果たし、今年はいよいよ監督業進出と言われている杜[シ文]澤(チャップマン・トー)。そして紅一点は助演女優賞ノミネート9回を数えるという毛舜[竹/均] (テレサ・モウ)という顔ぶれ。
日ごろ団結をうたっている香港映画界だけに、ほとんどの候補者たちが出席しましたが、独特の気質で知られる杜[王其]峰(ジョニー・トー)監督は、『黒社会』で10部門にノミネートされているにもかかわらず噂どおり欠席。しかし、トー監督と同様に事前の候補者の写真撮影に現れず、授賞式への出席も危ぶまれていた鄭秀文(サミー・チェン)は会場に元気な姿で現れました。
今年の注目は、11部門ノミネートの『如果・愛/Perhaps Love』と『セブンソード』、10部門ノミネートの『黒社会』と『頭文字D』という4強の争い。全19部門のうち、新人監督とアジア映画部門をのぞく17部門では、なんとノミネートのほぼ半分がこの4作品関連ということになります。
結果は、監督欠席にもかかわらず『黒社会』が作品賞・監督賞・脚本賞をさらったほか、梁家輝(レオン・カーファイ)が最優秀主演男優賞に。受賞数では『如果・愛』の6部門に劣るものの、主要4部門を制したほか、授賞式後に発表された投票順位によれば、主演男優賞はカーファイとダブル主演の任達華(サイモン・ヤム)の争いだったとのことで、まさに「杜組強し」といったところ。
また、レオン・カーファイは今回『長恨歌』とのダブルノミネートで、しかも今回が3度目の受賞。まさに名実ともに香港を代表する俳優の地位を維持し続けています。
一方主演女優賞は、『如果・愛』の周迅(ジョウ・シュン)。こちらも男優賞同様、下馬評通りでしたが、ジョウ・シュンと最後まで女優賞を争ったのは、対抗馬といわれていた『怪物/Home Sweet Home』の林嘉欣(カリーナ・ラム)でも、ダークホースとして多くの人々が期待していた『長恨歌』のサミー・チェンでもなく、『海南鶏飯/Chicken Rhapsody』の張艾嘉(シルビア・チャン)だったとのこと。主演女優賞は去年の章子怡(チャン・ツィイー)に続き中国の女優が連続して受賞したことになります。
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