2023年8月31日 T・ジョイ PRINCE 品川 スクリーン1
ここからは集まったマスコミからの質疑応答です。
Q:チョン・ウソンさんを主演に抜擢した経緯と、監督と演技者として、仲がいいだけに返ってやりづらかったこと、逆によかったことなど、なにかエピソードがあればお聞かせください。
ジョンジェ「チョン・ウソンさんとは97年に『太陽はない』という作品でご一緒しています。それ以来、私の中ではいい思い出になっていたので、早く違う作品でまた一緒にやりたいね、と2人で話していました。そのためのシナリオをいただいたり、2人で共同でシナリオを開発したりということもしていたんですが、なかなかうまくいきませんでした。そうこうしているうちに、私の方でこの『ハント』のシナリオを書くことになり、これ以上遅くならない内に、また一緒にやりましょうと、キャスティングをさせていただきました。
親しいからこそ撮影現場で大変だったことといえば、何かをお願いする時に躊躇ってしまうことですね。例えば、撮影の最初の方で「もう1回やりましょう」というのが、なかなか言えませんでした。自分がお願いをしているような感じがして。それで、初日の撮影を終えた後、早くこのぎこちなさを解消しなければならないと思い、次の日からは、僕がシナリオを書いていた時に考えていた表現や感情の温度感、テンポについて、すべてチョン・ウソンさんにお話しました。充分に説明したら、快くそれを受け止めてくれ、撮影現場ではほんとうに助けてもらいました」
Q:チョン・ウソンさんとの共演ですが、今回はそれぞれに違う背景を持つ2人の人物が描かれます。どちらがどちらを演じられてもよかったと思いますが、配役はどのように決められたのですか?
ジョンジェ「チョン・ウソンさんは、とてもヒューマニズムのある方で、折り目正しく、多くの方にいいイメージを持たれています。普段から、多くの方たちと心を分かち合う人として知られています。そんなイメージのチョン・ウソンさんの魅力を、この映画の中で最大限に引き出したい、表現したいと思いました。ウソンさんのキャスティングが決まってからは、そんなウソンさんの面を深く見せたかったので、キャラクターをより生かすために、シナリオに修正を加えていきました。
もちろん、2人の役を入れ替えることもできたのですが、チョン・ウソンさんが本来持っている姿に最もよく似合うキャスティングになっていると思います。その魅力を最大限に引き出す役どころとして、表現にしたいと思っていました」
Q:3年半ぶりの来日ですが、その3年半の間に「イカゲーム」の大ヒットや、『スターウォーズ』の話が入ったりと、すごく目まぐるしかったと思います。どのような気持ちでこの激動の日々を過ごしておられましたか?
ジョンジェ「これまで、作品には一生懸命、たえずベストを尽くして取り組んできました。そんな中「イカゲーム」で多くの国の方々から人気を博すという大事件が起きました。アメリカでは、大きな賞をたくさん頂きました。自分にこんなに大きな福がもたらされるなんて…と信じられない気持ちでした。どう受け止めたらいいのか、なかなかわからないくらい実感の湧かない、現実味のない状況でした。
それを過ぎて、韓国で『ハント』の公開準備を進めている最中に、今度は『スターウォーズ』のスピンオフドラマ「The Acolyte(原題)」のキャスティングオファーがきました。でも、そのことは誰にも言ってはならないんです。私以外で知っていたのは、マネジメント会社の1人か2人。ずっと秘密を維持しながら、この『ハント』が公開されました。そして、様々な海外の映画祭にも行かせていただきました。
それと同時に『スターウォーズ』のクライクインが近づいていたので、様々なことをやりながら『スターウォーズ』の準備に取りかかりました。セリフも覚えなければならないし、身体も鍛えなければならない。役作りについてもいろいろ考えなければなりません。それらが同時進行で起こっていた年で、ほんとうに目まぐるしかったです。アメリカで大きな賞をいただいてから、そんな状況がずっと続いていたので、時間がどんな風に過ぎていったのかわからない感じがします。
今は、『スターウォーズ』を撮り終えて「イカゲーム シーズン2」の撮影をまたしているところ。『スターウォーズ』は来年の公開を予定しています。「イカゲーム」の方は来年の下半期、または再来年の頭に公開予定です。作品が公開されれば、またプロモーションで忙しくなるでしょう。つまり、忙しさはまだ延々と続いていて、終わっていない状況なんです。個人的には、ほんとうに嬉しく、いい事だと思いますので、こんな時こそもっと体調管理をしっかりしなくてはと思っているところです」
なんと、多忙で大変な日々が、まだ続いているんですね。そんな最中に来日していただき、ほんとうにありがとうございました。というわけで、フォトセッションの後は、いよいよジャパンプレミアの舞台挨拶です。
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