2014.5.14 TOKYO FM HALL
7月11日より絶賛公開中の『怪しい彼女』。公開前の5月14日に主演のシム・ウンギョンが来日。TOKYO FMホールにて「突然、20歳(ハタチ)。トークイベント」が開催されました。『怪しい彼女』出演に関するさまざまなトークがありましたので、ご紹介します。司会進行役は映画『サニー 永遠の仲間たち』の大ファンで、オッサニーという集団を結成しているというマキタスポーツさん。特別ゲストとして、20歳の頃にアイドル歌手全盛時代だった堀ちえみさんも登場しました。
左から堀ちえみ、シム・ウンギョン、マキタスポーツ
マキタ「『サニー 永遠の仲間たち』では方言がきつかったですが、『怪しい彼女』でも方言がたくさん出てきましたか?」
ウンギョン「今回も全羅道の方言が基本になっていますが、方言よりもおばあさんが話す口調にポイントを置いていたので、正確には方言と言えないかもしれませんね。ソウルの言葉も混ざっていて、少し曖昧な口調になっています。とにかく、演技をする時はおばあちゃんの口調で演じて欲しいと監督から指示があったので、その点に気をつけながら演じていました」
マキタ「今回、外見は20代ですが、心は70代。演じる上で苦労したことは?」
ウンギョン「演じる前からいろいろと心配していました。まだ経験したことのない、未来の年齢を演じるということで、おばあさんの感性をうまく表現できるかどうか、最初は悩みました。シナリオをいただいた時も、うまく演技ができるかどうかわからなかったので、実はちょっと出演を遠慮しようかなと思ったんです。でも、もう一度シナリオを何回か読み返してみたら、この映画にはしっかりと伝えたいことが明確にある、家族の意味をもう一度考えさせてくれるいい作品だと思いました。それで、参加するだけでも意義があると思い、出演を決めました」
マキタ「ほんとうにおばあちゃんに見えました。こうしてみると若いけど、どっちなんだよ?と(笑)」
ウンギョン「今は韓国では20歳(数え年)の娘なので、気楽にお話してください(笑)。普段はもちろん、あんな行動はしません。映画の中なので、できたんです」
マキタ「印象的なのは歌を歌うシーン。どの曲も素晴らしくて、曲自体もすごく印象的で素敵な曲ですが、実際に吹替えなしで歌ったそうですね?」
ウンギョン「OST(オリジナルサウンドトラック)に入っている曲は全部、歌いました」
マキタ「歌に自信があるでしょ」
ウンギョン「オー(笑)…決して、上手いとは思っていませんが、もともと、歌やダンスが好きだったんです。子どもの頃に声楽を習っていました。発声法や歌い方を習っていたので、今回、映画の中で歌う時やOSTのレコーディングの時にそれが役立ちました」
マキタ「マルスンさんが歌っているので、踊りはちょっとおばさんぽいよね? でも、歌ってる声にものすごく透明感があるね」
ウンギョン「今回は歌っている時のダンスにも、しっかりと振付の先生がいたんです。相談しながら振付けを決めていき、こちらからもアイデアを出しました。できるだけ、おばあさんぽいダンス、動きにしようということで、こんな風に手を動かしてみたり。上手に踊るというよりも、ちょっと不器用で、かわいらしく踊りたいと。そんなアイデアを出しながら撮影をしました」
マキタ「そのミスマッチ、ギャップがすごくよかったですね。映画で歌った曲は、昔、ほんとうに流行った曲なんですか?」
ウンギョン「そうです。韓国では1970年代から80年代頃に流行していた曲で、今回のOSTに入っている曲も全部、昔の曲です。実は制作チームの方では、声だけ別の方に吹替えてもらおうかと悩んでいたそうですが、やはり私自身が歌った方が、観客の皆さんに感動を伝えられると思いました。もちろん、吹替の方がやっていれば、もっと上手で、歌唱力もあったと思いますが、今回のキャラクターには歌唱力よりも、人々の心の琴線に触れるような声が必要だと思い『自分で歌いたいです』と意見を言ったんです。有難いことに私の意見を取り入れてくださり、OSTに参加することができました」
ここで歌、アイドルという流れで、元アイドルの掘ちえみさんが登場します。
マキタ「『怪しい彼女』をご覧になったと思いますが、いかがですか?」
掘「笑いあり涙ありで…もっとコメディぽいのかなと思ってたんですが、お母さんと息子のくだりで胸がぐっとくるところも多々あり、ほんとうに涙しながら見させていただきました。70歳の心を20歳の容姿で演じるのは難しかったと思います。セリフにも70歳の気持ちが流れていましたよね。どういう気持ちで挑んだのですか?」
ウンギョン「撮影前に、私はおばあさんなんだと思い込んで、撮影に臨むようにしていました。もう1つは(おばあちゃんを演じた)ナ・ムニ先生と頻繁にお会いして、監督も交えて台本のリーディングを何度もしました。それから、ナ・ムニ先生の行動をしっかりと観察し、普段どんな動きや仕種をされるのか、歩き方や言葉使いはどうかをチェックしました。ただ、動きを全体的に真似をするだけではだめだと思い、いくつかのポイントをふまえて、私なりの20代のオ・ドゥリを重ねていきました。なので、私の感性も入っています」
マキタ「子役出身ということですが、子供の頃からだんだんと成長してきて、役者さんとしていい感じでキャリアを積んでいると思います。子供から大人に変わるという…その辺りは、難しくないですか? 」
ウンギョン「子役から大人の俳優になるのはほんとうに難しいと思います。子役時代に活動していると、どうしても皆さんはイメージを持ってしまいますよね。同時に、ちょっと画面に出ていないとすぐに忘れられてしまう。どういう風に大人の俳優になっていくかは、1つの峠だと思います。とても大変だと感じていたので、実は『サニー 永遠の仲間たち』を撮り終えた後、しばらくアメリカに留学していました」
掘「今回の作品で、70歳のウンギョンさんを見た気がして、これから先はいろんな役ができるんじゃないでしょうか。楽しみですね」
マキタ「未来を見たという感じですね。未来のウンギョンちゃんは、ブロッコリーみたいな頭になってるかもしれないですね。で、鶏肉とかを『ハイ!』ってやるとか…(笑)」
ウンギョン「そこまで性格はバサバサしていないので、黙って食べさせたりとかはしないでしょうし、髪もあそこまでクルクルにしないと思います(笑)。映画の中では、今回のようなおばあさん姿を見せたので、実際に私が70歳のおばあさんになったら、ストレートのロングヘアーにして、洗練された、あか抜けた70歳をお見せします。期待してくださいね」
ここで年齢の話が出たので、もうすぐ20歳の誕生日(5/31)を迎えるウンギョンちゃんへのプレ誕生日セレモニーへ。
皆で怪しい彼女のポーズを!
マキタ「今月の31日にウンギョンちゃんが20歳になりま〜す!」
拍手と共にバースデーケーキがワゴンに乗って運ばれてきました。
ウンギョン「まだまだ日にちがあると思っていましたが、私の誕生日のためにわざわざ準備してくださって、ほんとうにありがとうございます」
と、突然のサプライズに感動するウンギョンちゃん。会場の皆さんがハッピーバースデーを合唱します。
ウンギョン「ほんとうにありがとうございます。まったく予想もしていなかったので、今この気持ちをなんと表現したらいいかわかりませんが、とても感動しています。いい思い出をありがとうございます」
そして、最後にこれから映画を見る人たちへのメッセージを。
堀「ほんとうに懐かしい感じのする映像と、なんといっても彼女の美しい声が心にしみ込むこの映画を、たくさんの日本のお母さんに、世界中のお母さんに観てほしいと思います。最後に出て来る字幕の言葉、最後の最後に胸が打たれる言葉が出て来たので、全国のお母さんに、たくさんのお母さんにぜひ観ていただきたいと思います」
ウンギョン「『怪しい彼女』は、家族の皆さんやお友だちと、ぜひ映画館に行って楽しんでもらいたいです。肩の力を抜いて、気楽な気持ちで楽める作品です。久しぶりに、家族と一緒に手をつないで映画館に行かれてはどうでしょうか」
思いきり楽しんだ後で心にぐっとくる『怪しい彼女』は、まさに子どもの世代から親の世代までが楽しめる作品です。ぜひ、ご家族でご観賞ください。
▼作品紹介
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