禅茶館
2004年4月4日
熱気と喧騒の街、サイゴン。その中でも、外国人旅行者の安宿街として知られているファムグーラオ−デタム−ブイビエン通りの界隈は静けさとは無縁の場所で、通り沿いのカフェではいつも大音量でポップスを流しています。
そんな所になぜ?と不思議なくらい、サイゴンで最もしずかな(?)お茶屋が誕生しました。その名を「ティエン・チャー・クアン(Thien tra quan)」(住所:ブイ・ビエン通り40/1番地)といいます。漢字で書くと「禅茶館」。オーナーは禅寺のお坊さん?と思うとさにあらず、禅や書に造詣の深い建築家だそうです。
1階の土産物店から靴を脱いで2階に上がると、小さな別世界が広がります。室内は白熱灯の穏やかな灯りに照らされ、小鳥のさえずりや川のせせらぎの音が流れています。壁にかかっている書幅はオーナー自らの筆によるもの。ここではタバコも携帯電話も大きな声でのおしゃべりもご法度です。
席につくと、写真のように店員の女性がベトナム式作法でお茶をたててくれます。使用するお茶は一般家庭ではあまり飲まれることのないウーロン茶。日常とは異なる世界に浸ってもらおうというコンセプトが貫かれているんですね。
お茶を飲んでいると、10枚ほどのカードの中から1枚引くように言われます。そのカードにはそれぞれ異なる言葉がベトナム語で書かれていて、引いた後に店員がその意味を説明してくれます。私が引いたカードには「人生が無常と分かっていれば、悩むことなどあろうか」と書かれていました。
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