廟を中心に広がる
屋台と古跡を楽しむ鹿港
2006年10月22日
台湾には、かつて栄えた街が観光地として今も点在していますが、そのなかでも台湾中部の彰化にある鹿港は、規模も人気も大きい街として観光客が絶えません。台北からは、列車で「彰化」駅まで行き、そこからバスで30分ほどの道のりとなります。台北からの直行バスだと3時間と少しかかります。
鹿港の人気が高い要因の一つとして挙げられるのが、街の北のほうに建つ馬祖を奉る「天后宮」。3級古跡として指定されている「天后宮」は、3大馬祖廟のひとつでもあり、休日ともなると各地の馬祖廟からひっきりなしにお参りする団体が訪れます。
各地の馬祖廟の本尊を輿に担いだ「進香団」は、爆竹を鳴らし、ドラや笛などで独特の旋律を奏でながら「天后宮」の本尊にご挨拶に赴きます。多くの「進香団」を迎え入れている「天后宮」は、香の煙と歴史により、廟の柱や梁が重厚な色になっており、とても趣のあるものとなっています。台湾の数ある廟のなかでも、必見のところと言えます。
また、この廟の前に広がる広場やそこから続く道路には、屋台や小さなお店が連なっていて、人通りが絶えません。他ではほとんど見かけない「蝦猴」と呼ばれる、小さなシャコに似たものを丸挙げしたものや、茶色いどろりとした液体をスプーンで掬って食べる「麺茶」(材料はお茶ではなく小麦粉)などが有名です。
街の中には、古跡が点在しており、強風や外敵の侵入を防ぐため、細く曲がりくねった道(九曲巷)やかつての繁栄を偲ばせる甕で作られた壁、井戸を掘ることができない人たちも使えるよう、家の外壁の真下に井戸を掘り、井戸の半分を道路にはみ出させた「半邊井」といった、鹿港独特の街並みをも楽しむことができます。
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