story
1990年10月の夜。テレビではアジア競技大会の閉会式が行われている。病気の母(チャン・フイリン)と暮らすジョウ(ジョウ・シュン)は、母に薬を飲ませた後、ソファで閉幕の歌に聞き入っている。さようなら、友よ。次は広島で会いましょう。母が寝て、テレビを消す。
翌日の昼どき。青山映画製作所の受付をしているジョウは、温めたお弁当をひろげ昼食の用意。慰労のため金曜の夜に行われる無料上映会のチケットも配っている。窓の外ではイベント飾りの撤去が行われている。
メガネをかけた青年が友人のチャン(チャン・チェン)を訪ねてやって来る。旅行から帰ったばかりの彼は、詩人のリー・モン(ワン・イーボー)。彼は受付の中に入らず、外で友人を待つ。昨夜の歌を口ずさむジョウ。大会マスコットの看板が撤去される。「さよなら、パンパン」
昼食から帰ったチャンと再会したリー。旅行する詩人を羨むチャンに、リーは「帰って来たんだ」と告げ、詩集「青い列車」を渡す。チャンが彼の詩を読む。
上映会が始まる。フランソワ・トリュフォーの『大人はわかってくれない』。映画が始まり、受付のジョウは居眠り。リーがチャンからチケットを譲ってもらい、遅れてやって来た。彼は後部座席に座る。無造作に伸びていた髪が、きれいに整えられている。ジョウも中に入り、彼の近くの後ろの席に座った…。
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