story
テヘランの革命裁判所。イマン(ミシャク・ザラ)は親友ガデリ(レザ・アクラギ)の推薦もあり、皆がポストを狙う調査官に昇進する。それは判事への道が約束された予審判事職。イマンには護身用のピストルと銃弾が渡された。市民による政府への抗議デモが吹き荒れる中、彼の仕事は秘密にされており、周りには危険が潜んでいるからだ。
家に戻ったイマンは妻のナジメ(ソヘイラ・ゴレスターニ)に報告。判事になれば、20年来の夢だった3LDKに引っ越せる。二人の娘、大学生のレズワン(マフサ・ロスタミ)と高校生になるサナ(セターレ・マレキ)も自分たちの部屋が持てると喜んだ。だが、毎晩遅く帰るようになったイマンの顔は曇っていく。調査官とは名ばかりで、実際は検事の命令で起訴状に署名するだけだったのだ。
レズワンが友人のサダフ(ニウシャ・アフシ)を連れてきた。お洒落で自由な気質のサダフは魅力的で、サナはマニキュアを塗ってもらった。ナジメにとっては歓迎したくない客だったが、学生寮が閉鎖されたため一晩だけ泊めることに。ナジメはイマンと顔を合わさない条件で泊め、翌日、車で3人を学校へ送り届けた。
ところが、テヘランで暴動が起こり学校は休校に。ニュースでは報道されないが、SNSでは警察が暴力をふるう動画が拡散されていた。ヒジャーブの着用が正しくないと逮捕された22歳のマフサ・アミニが死亡した事件もあり、若い女性たちも抗議デモをしていた。レズワンとサナはサダフが暴動に巻き込まれていないか心配する。
そんな中、レズワンが顔に大怪我をしたサダフを家に連れてくる。病院へは連れて行けないので、ナジメが応急手当をして彼女を家へ送り届けた。レズワンとサナはひどいショックを受けていた。一方、イマンは毎日200件や300件の起訴状を処理しなければならず、焦燥していた。1件に2、3分しかかけられず、多くの逮捕者が処刑されていく…。
そんなある日、イマンはベッド脇の引き出しに入れていた護身用の銃がなくなっていることに気づく。侵入者ではなさそうだ。ならば、家族の誰が?一体、なぜ…?
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