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ショウタイムセブン

ショウタイムセブン(SHOWTIME 7)

監督・脚本:渡辺一貴
原作:『テロ,ライブ』(監督:キム・ビョンウ)
The film "The Terror, Live" written and directed by Kim Byung-woo, and produced and destributed by Lotte Culture Works Co., Ltd. and Cine2000
撮影:大和谷豪
編集:鈴木翔
美術:柳川和央
音楽:照井順政
出演:阿部寛、竜星涼、生見愛瑠、前原瑞樹、平原テツ、内山昴輝、安藤玉恵、平田満、井川遥、吉田鋼太郎、錦戸亮

2025年/日本
日本公開日:2025年2月7日
カラー/98分
配給:松竹 アスミック・エース
©2025『ショウタイムセブン』製作委員会

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 NJBの看板ニュース番組「ショウタイム7」。その人気メインキャスターだった折本眞之輔(阿部寛)は5年後に突然降板となり、ラジオ番組に左遷されていた。今、番組を担当しているのは、若手メインキャスターの安積征哉(竜星涼)と新人アナウンサー結城千晴(生見愛瑠)のフレッシュなコンビだ。

 そんなある日、いつものようにラジオ番組を始めた折本のもとに「ウスバカゲロウ」と名乗る男から電話が入る。彼は番組のテーマとは関係ない個人的な不満を訴え、折本は次の電話に繋ごうとするが、その電話はなぜか切れない。そして、CMの間に爆破予告をしてきた。折本は取り合わず、逆に挑発するが、その直後、外から爆発音が聞こえた。

 テレビ局の近くにある大和電力の発電所で爆発が起きたのだ。テレビは一斉に報道を始めた。かつて、折本とコンビを組んでいた記者の伊東さくら(井川遥)も取材に駆けつけていた。驚く折本に、犯人は彼を交渉人として指名する。彼の目的は何だ?なぜ、自分が?

 警察に通報しようとするスタッフを制した折本は、これを第一線に復帰するチャンスと捉え、自分を陥れたプロデューサー東海林剛史(吉田鋼太郎)に連絡して状況を説明。「ショウタイム7」で犯人との交渉を独占生中継しようと提案する。そのことを犯人に伝えると、彼は法外な出演料を要求した。払わなければ、他局と交渉するという。

 東海林が責任を持ち、折本は放送中の「ショウタイム7」に乗り込んで、犯人との生通話を強行放送する。犯人の要求はエスカレートし、隠蔽された過去の事故に関して責任のある会社社長と総理大臣からの謝罪を要求してきた。爆弾はスタジオにも仕掛けてあり、折本はスタジオから出ることができなくなる…。

アジコのおすすめポイント:

アジクロ読者の皆さんならご存知の、2013年の大ヒット韓国映画『テロ,ライブ』(日本公開は2014年8月)のリメイクが登場しました。主演は阿部寛。ニュースキャスター役は初の挑戦です。演技派でもあり人気スターの阿部さんですが、あの独特な話し方でアナウンサーをどう演じるのか興味津々。竜星涼くんは滑舌良く、若手キャスターぶりを爽やかに演じてピッタリでしたが、阿部さんが登場するとやはり貫禄が違います。但し、過去の栄光を追う男。少々熱く古臭いところも匂わせていて、それも演技のなせる技か。テレビ局内の権力闘争、政界や財界との癒着問題、果てはテレビを観ている視聴者へも問題提起しており、構造は同じながら、オリジナルとは方向性が変わっていきます。アジコは衝撃的なラストだった『テロ,ライブ』を観直して、やっぱりこれは凄い映画だと再認識。日本版を試写で観た時は、後半が緩いかなあと思ったりしたのですが、監督&脚本は「おんな城主 直虎」「岸辺露伴は動かない」シリーズや「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」の渡辺一貴さん。今の日本社会と結びつけた、違うテーマが盛り込まれているようです。折しも某テレビ局の問題で盛り上がっている今、タイムリーな作品と言えるでしょう。たまたま見つけたこちらの考察も大変参考になります。彼もボタンを押していたんですね。野心から疑い、絶望、嫌悪に変わっていく様を演じたハ・ジョンウも見事でしたが、とことん見せることにこだわった男を演じた阿部寛もさすがです。

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