哭悲 The Sadness(哭悲/The Sadness)
story
台湾は謎の感染症に対処を続けていた。原因となるアルヴィンウイルスの突然変異を警告する学者もいたが、症状が風邪のように軽いため、人々の警戒心は次第に薄れていた。
その日、カイティン(レジーナ・レイ)とジュンジョウ(ベラント・チョウ)は、いつものようにベッドで目覚める。テレビでは、選挙前にアルヴィンウイルスが突然変異を起こしたと報道。狂犬病ウイルスに似ているらしく、選挙の妨害工作の疑いも持たれていた。
ベランダに出たジュンジョウは、遠くのビルの屋上に白髪の老人を見かける。血を流しているようだが、その姿はすぐに消えた。隣の親切なリンさん(ラルフ・チウ)が声をかけてくる。バジルがたくさん育ったので後で分けてくれるという。ジュンジョウはカイティンをバイクで地下鉄の駅まで送っていった。
途中、路上にパトカーが停まり、血だらけの人々が苦しんでいた。不審に思いながらも地下鉄の駅で別れる二人。ジュンジョウがレストランでコーヒーを飲んでいると、あの白髪の老人が現れる。彼は感染しており、店の客たちも次々に感染して襲ってきた。
必死で部屋へ逃げもどったジュンジョウ。電話はつながらず、テレビは「屋内で指示を待て」と緊急事態を告げていた。そこへ、感染したリンさんがハサミを持って現れ、ジュンジョウは指を切り落とされてしまう。街はすでに狂気と罵声に侵されていた。
地下鉄で本を読んでいたカイティンは、隣のビジネスマン(ジョニー・ワン)からのセクハラに悩まされていた。その時、感染した男が無差別に人を殺し始める。カイティンは目を負傷したシェン・リーシン(アップル・チェン)を助けながら、地下鉄から脱出。感染したビジネスマンが執拗に追ってきた。
やっとの思いで病院へ逃げ込んだカイティンは、ジュンジョウの助けを待つのだが…。
アジコのおすすめポイント:
コロナ禍を彷彿とさせるウイルス蔓延中の台北で、突如、ウイルスが狂犬病のようなウイルスに突然変異。空気感染で大脳を侵し、感染した人々が凶暴化。暴力と食欲と性欲にまみれ、血みどろの阿鼻叫喚地獄になる様を描いたパンデミックホラーです。感染しても罪悪感は感じるため、人々は涙を流しながら狂っていく。それが、タイトルの由縁のようです。アジコはホラーとスプラッターが苦手なので、正直観るのを迷ったのですが、主演がベラント・チョウにレジーナ・レイと今が旬の美男美女。台湾映画でもあるので、覚悟してオンライン試写を拝見。やばそうな場面は見てません。画面はほとんど真っ赤で、グロいです。そして、救いがありません。主演がこの二人だったので持ったようなものですが、後味もわるいです。でも、この手の作品が好きな方には、かなり高評価なのではないでしょうか。海外でも多数の賞を受賞しています。監督は台湾在住のカナダ人、ロブ・ジャバズ。本作が長編デビュー作品です。大のホラー映画好きで、様々な名作ホラーからインスピレーションを受け、おそらくスケールアップさせています。最後の最後まで容赦ない作品なので、好きな方だけにオススメします。
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