SEOBOK/ソボク(ソボク/SEOBOK)
story
暗い海に大きな船が浮かんでいた。中では、シン・ハクソン所長(パク・ビョンウン)の指揮で未来のための研究が行われていた。彼らはイム・セウン研究員(チャン・ヨンナム)の協力で、iPS細胞を使った初のクローン人間(パク・ポゴム)を誕生させたのだ。
ところが、研究の危険性を示唆していたアンダーソン博士が暗殺され、状況が変わる。国は研究が他国に知られるのを防ぐため、研究所の場所を移動させることにする。
元韓国情報局要員のミン・ギヨン(コン・ユ)は脳腫瘍で余命宣告を受けていた。医師の友人からこっそり向精神薬をもらい、苦痛を紛らわせる日々。そんな彼に、情報局から連絡が入る。アン部長(チョ・ウジン)と久しぶりに会った彼は、病気を治す力を持つクローンの護衛を頼まれる。
研究所へ出向いたギヨンは、初めて彼と会った。彼は実験体で、秦の始皇帝のために不老不死の薬を探して旅に出た徐福にちなみ「ソボク(徐福)」と名づけられた。2倍のスピードで成長するため、成長を止める薬を毎日注入しなければならない。それは、ソボクにとって苦痛の時間だった。
護衛の当日、指定場所まで向かったギヨンたちの護送車はテロリストに襲われてしまう。ソボクの持つ超能力のおかげでギヨンは助かり、二人は逃走。初めて街中に出たソボクはすべてが珍しく見物したがり、ギヨンは古着屋で若者らしい服や靴を揃えてやる。隠れ家では、初めてのカップラーメンが気に入り、美味しそうに何杯も食べた。
ソボクは母親の話をし、ギヨンはソボクに「兄と呼べ」と言うほど親しみを覚えていた。そこへ、情報局が刺客を送り込んでくる。当局は二人を抹殺しようとしていたのだ。再び逃走することになり、ギヨンは研究所に連絡して帰ることにする。その途中、ソボクは「会いたい人がいる」とウルサンに寄るようギヨンに懇願する…。
アジコのおすすめポイント:
クローン人間と命をテーマにしたSFアクションです。日本でも人気の高いコン・ユとパク・ポゴムが主演とあって、ファンの間では公開が待たれていた作品。2019年に撮影されましたが、韓国ではコロナ禍の影響で今年の4月に公開。続けて日本での公開となりました。不思議な名前だなあと思っていたら、なんとあの「徐福」のハングル読みだったんですね。監督は『建築学概論』のイ・ヨンジュ。実験体として生み出され、永遠の命を与えられながらも、自由や意思を持つことを禁じられている若者と、余命僅かな元情報局要員の男。二人が出会い、逃亡しながら人間的な交流を持つことで、自分の運命と向き合っていく人間ドラマになっています。結末はなんとなく予想がつくのですが、一流のスタッフたちが創りあげたセットや美術、アクション、映像で見応えのある作品に仕上がっています。ソボクの持つ超能力がややスーパー過ぎるのですが、感情を爆発させる上で必要な設定だったのかもしれません。ドラマ「のだめカンタービレ 〜ネイル カンタービレ」(14年)でパク・ポゴムをはっきりと認識したアジコですが、今や堂々と複雑な主人公を演じることができる俳優に成長したんですねえ。
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