サムジンカンパニー1995
(Samjin Company English Class)
story
韓国のグローバル元年、1995年。ソウルの大企業サムジン電子では、高卒社員のために英語教室を開き、TOEIC600点以上を取れば昇進が約束されていた。
キャリアウーマンになるのが夢だったイ・ジャヨン(コ・アソン)、自分が大好きなチョン・ユナ(イ・ソム)、歌が好きなシム・ボラム(パク・ヘス)も昇進を目指して頑張っていた。だが、彼女たちの仕事はお茶汲みや雑用ばかり。妊娠すれば解雇される使い捨て社員だ。
生産管理部にいるジャヨンは後輩で上司のチェ・ドンス(チョ・ヒュンチョル)に頼られているし、会計部にいるボラムは数学大会の優勝者だけに仕事が早く、空いた時間はゲームに熱中。上司のポン部長(キム・ジョンス)はそんな彼女をかわいがり「自分の楽しいことをしろ」と励ます。マーケティング部のユナは自分が話したアイデアを、横柄な大卒社員に横取りされていた。
そんなある日、ジャヨンとドンスは異動になった会長の息子、オ・テヨン常務(ペク・ヒョンジン)の荷物を取りにオクチュ工場を訪れる。常務が飼っていた金魚を川へ放ちに行ったジャヨンは、そこで大量の魚が死んでいるのを発見。川には工場の排水口から汚染水が流れ込んでいた。ジャヨンが作成した報告書が認められ、ホン部長(イ・サンウク)らが水質調査を開始する。
その頃、広告部門ではユナのアイデアが採用され、グローバル化を象徴する会社のイメージキャラクターにアメリカ人社長のビリー・パク(デビッド・リー・マクイニス)が選ばれる。一方、会計部ではポン部長が末期ガンで退職していった。ジャヨンは工場から微量のフェノールが流出していた補償で、再び村を訪れる。しかし、リンゴ農園のリンゴは腐り、農園主には皮膚病が見られた。
水質検査の結果に不審を持ったジャヨンは、ユナとボラムに相談。苦労して本物の検査報告書を入手する。そこには、大量のフェノール流出の数値が出ていた。会社ぐるみの隠蔽工作の可能性もあり、ジャヨンたちは確かな証拠探しに奔走するのだが…。
アジコのおすすめポイント:
1995年という韓国がグローバル社会に突き進み始めた時代を背景に、実際にあった有名企業の高卒社員向け英語教室とフェノール流出事件を元に、小さな存在でも信念を持って声をあげ続ければ道は開けるというメッセージを伝える元気ムービーです。会社の不正を発見してしまった彼女たちは、何度も壁にぶち当たり、迷いながらも手探りで進んでいきます。行く手には思いがけない巨大な壁が!それでも彼女たちは知恵と力を結集し、最後は堂々と敵に対峙します。こんな胸のすくストーリーを手がけたのはイ・ジョンピル監督。『グエムルー漢江の怪物ー』からすっかり大人の女優に成長したコ・アソン、クールビューティなOLがよく似合うイ・ソム、おっとり型の天才経理に扮したパク・ヘスと、3者3様の個性を持つ主人公を90年代ファッションで演じています。時代は変われど、オフィス内の力関係や会社あるあるなエピソードに共感する人も多いはず。ファッションからセット、小物、エンディングロールで流れるTVゲーム風のアニメまで、90年代レトロもたっぷり楽しめます。
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