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バーニング 劇場版

監督:イ・チャンドン
原作:村上春樹「蛍・納屋を焼く・その他の短編」(新潮文庫)
脚本:オ・ジョンミ、イ・チャンドン
撮影:ホン・ギョンピョ
照明:キム・チャンホ
編集:キム・ヒョン、キム・ダウォン
美術:シン・ジョンヒ
衣装:イ・チュンヨン(Style7)
音楽:Mowg
音響:イ・スンチョル(WAVELAB)
視覚効果:キム・ソクジュン(STUDIO M)
特殊効果:リュ・ヨンイル(Demolition)
出演:ユ・アイン、スティーブ・ユァン、チョン・ジョンソ

2018年/韓国
日本公開日/2019年2月1日
カラー/シネスコ/5.1chデジタル/148分
字幕:根本理恵
配給:ツイン
(c)2018 PinehouseFilm Co., Ltd.
2018年 カンヌ国際映画祭
 国際批評家連盟賞(イ・チャンドン)/
 バルカン賞(シン・ジョンヒ)
2018年 韓国映画評論家協会賞
 撮影賞(ホン・ギョンピョ)/国際批評家連盟 韓国本部賞
2018年 大鐘賞映画祭 最優秀作品賞
2018年 釜日映画賞
 監督賞(イ・チャンドン)/音楽賞(Mowg)
2018年 アジア・パシフィック・スクリーン・アワード
 審査員グランプリ(イ・チャンドン)
2018年 トルコ・アダナ映画祭 ゴールデンボール(作品賞)
2018年 ディレクターズ・カット賞 スペシャルメンション
2018年 フロリダ映画批評家サークル賞
 助演男優賞(スティーブ・ユァン)
2018年 国際シネフィル・ソサエティ賞 パルムドール
2018年 キーウェスト映画祭 最優秀外国語映画
2018年 ロサンゼルス映画批評家協会賞
 外国語映画賞/助演男優賞(スティーブ・ユァン)
2018年 米・国際映画評論家協会賞
 助演男優賞(スティーブ・ユァン)
2018年 ニューメキシコ・フィルムクリティックス
 最優秀外国語映画/脚色賞(オ・ジョンミ、イ・チャンドン)
その他、2019年以降も多数


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バーニング 劇場版(Burning)

story

 運送会社でアルバイトをしているイ・ジョンス(ユ・アイン)は、ある日、配達先でイベントのキャンペーンガールから声をかけられる。「覚えてない?私、整形したの…」子どもの頃、同じ町内にいたと語る彼女はシン・ヘミ(チョン・ジョンソ)。今はモデルの仕事をしているという。

 その夜、二人は酒場で食事した。ジョンスは大学を卒業後、アルバイトをしながら小説家を目指している。ヘミはパントマイムを習っているそうだ。アフリカ旅行のために貯金もしているらしい。「サン族には2つの飢えた人がいるの。リトルハンガーはほんとうにお腹が空いている人。グレートハンガーは生きる意味に飢えている人」

 ジョンスはアフリカ旅行にでかけるヘミから猫の世話を頼まれる。坂道にあるヘミのマンションへ行くと、ベッドの下にエサを入れる皿やトイレもあったが、ボイルという名の猫は姿を見せなかった。「想像の猫?」訝しく思いながらも、ジョンスはそのベッドでヘミと肉体関係を持つ。

 その日から、ジョンスはパジュにある実家へ引っ越した。一人住まいだった父が傷害事件で逮捕され、牛の世話をしなくてはならないのだ。母は幼い頃に家を出ており、姉も結婚していない。日中は対岸の北朝鮮からプロパガンダ放送が聞こえて来る辺鄙な田舎町、ここが故郷だ。

 ジョンスはヘミの部屋を定期的に訪れたが、ボイルはいつも姿を見せなかった。そして半月後、ヘミから連絡が入り、空港へ迎えに来てほしいと頼まれる。再会したヘミは、現地で知り合ったスマートな青年ベン(スティーブン・ユァン)を連れていた。「遊びと仕事の区別がない」と語る彼は優雅で洗練されていたが、謎めいたところのある男だった…。

アジコのおすすめポイント:

今や世界的人気作家となった村上春樹の初期の短編「納屋を焼く」(82年)を出発点に、韓国の巨匠イ・チャンドン監督がおそるべき作品を作り上げました。全編を通じて流れるモグ(Mowg)のザワザワとした不穏な音楽が耳に残り、冒頭の出会いから予想外の結末まで、ずっと緊張感を保ちながら見つめることになります。監督と共同で脚本を担当したのはオ・ジョンミ。主人公たちの設定や関係性も大きく変わり、韓国ならではの社会状況を取り入れた作品になっていますが、「猫」「リトルハンガー」「グレートハンガー」「枯れた井戸」など、村上作品的記号が散りばめられており、まるで違和感がありません。主演は若手演技派のユ・アイン。ヒロインを新人のチョン・ジョンソが大胆に演じており、謎の男役はドラマ「ウォーキングデッド」シリーズでブレイクしたスティーブン・ユァンが演じて高い評価を受けています。グレートハンガーの踊り(多分)を踊っていたヘミはどこへ行ってしまったのか?なぜ、ビニールハウスを焼かなくてはならないのか?原作者の村上春樹氏自身も「まったく違う作品になっていて、とても面白かった」(TOKYO FM「村上RADIOプレスペシャル」2/3放送分)と絶賛する本作、ぜひスクリーンで謎解きに挑戦してみてください。


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