ダンガル きっと、つよくなる(Dangal)
story
レスリングを愛し、国内チャンピオンにまでなったマハヴィル(アーミル・カーン)。だが、世界チャンピオンである金メダルを取る夢を諦め、生活のために田舎の公務員として働いていた。金メダルの夢は息子に託そう。そう願ったものの、次々と生まれた子どもたちは皆、女の子。甥っ子の少年オムカルも、その様子を見守っていくことになる。
マハヴィルが夢を諦めて10数年後、近所の男の子の母親に呼び出される。そこにはボコボコにされた男の子たちがいた。なんと、長女ギータ(ザイラー・ワシーム)と次女バビータ(スハーニー・バトナーガル)が、悪口を言う男の子たちをやっつけてしまったのだ。娘たちの中に、自分の格闘DNAが受け継がれていると信じたマハヴィルは、反対する妻ダーヤ(サークシー・タンワル)を説得し、試しに1年間、娘たちにレスリングの訓練をすることにする。
それから、毎朝5時からの厳しい肉体改造が始まった。Tシャツに短パン、走るのに邪魔な髪は短く刈り上げられ、お菓子やスパイス料理も禁止。レスリング場の使用を断られると、マハヴィルは土のリングを作り、オムカル(リトウィク・サホール)を相手に練習をさせた。苛酷な境遇に二人は「あんな父親、要らない」と涙ぐむが、親の勧めで結婚させられる友人から「いい父親よ」と諭される。マハヴィルは娘たちの未来を想っているからだ。
翌朝から二人は特訓に励み、才能が開花。男子のレスリング大会に出場したギータは話題となり、次々と対戦相手を倒していく。やがてバビータも参戦し、二人は男を投げ飛ばす少女として人気者になっていった。全国大会にも出場したギータ(ファーティマー・サナー・シャイク)は、いくつもの大会を制覇。ついにシニアの全国チャンピオンも獲得し、目指すは国際大会での金メダルのみとなるのだが…。
アジコのおすすめポイント:
アーミル・カーンの主演映画にハズレなし!しかも、今回は実話の映画化です。実在のマハヴィル・シンが、4人の娘たち全員をレスリングの選手にしようと考えた話を、ニテーシュ・ティワーリー監督が耳にし、自分が感じた感動を多くの人に伝えたいと即映画化を決意。ギータとバビータ本人に取材を重ね、重たくなってしまいがちなテーマにユーモアと楽しさをプラスして脚本を練り上げました。
さらに、プロデュースも担当したマハヴィル役のアーミル・カーンは、5ヶ月をかけて体重を97キロに増量! 中年時代を撮影後、再び5ヶ月をかけて体重を70キロに戻し、選手時代の撮影をしたそうです。ギータとバビータの少女時代と青年時代を演じた4人はオーディションで選ばれました。彼女たちも、レスリング選手になるための訓練を受け、レスリングシーンはすべて自分たちで演じています。そして、実在のギータとバビータは、2018年現在までに国際大会で29個のメダルを獲得しているそうです。来る東京オリンピックでは、インドの女子レスリングチームにも注目したいものです。
と、うんちくはこれくらいにして、可憐な少女たちが葛藤を超えて逞しく成長し、屈強な男どもを投げ飛ばしていく活躍ぶりは爽快。ギータがナショナルチームに入ってからは、新旧の教育方針の対立、父と娘の対立とハラハラする場面も。そして、ラストには大きな感動が待っています。「ダンガル!ダンガル!」とリズムを刻むエンディングロールまで、目を離さずにお楽しみください。
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