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LION/ライオン 〜25年目のただいま〜

監督:ガース・ディヴィス
原案:25年目の「ただいま」5歳で迷子になった僕と家族の物語
   (サルー・ブライアリー著/船山むつみ訳・静山社刊)
脚本:ルーク・ディヴィス
撮影:グリーグ・フレイザー
編集:アレクサンドル・デ・フランチェスキ
美術:クリス・ケネディ
衣装:カッピ・アイルランド
音楽:ハウシュカ&ダスティン・オハロラン
主題歌:「ネバー・ギブ・アップ」歌・シーア
出演:デヴ・パテル、ルーニー・マーラー、デヴィッド・ウェンハム、ニコール・キッドマン、サニー・パワール、アビシェーク・バラト、ブリヤンカ・ボセ、ディープティ・ナバル、ディヴィアン・ラドワ

2016年/オーストラリア
日本公開日/2017年4月7日
カラー/シネスコ/5.1chデジタル/119分
字幕:戸田奈津子
配給:ギャガ
(c)2016 Long Way Home Holdings Pty Ltd and Screen Australia


(*受賞歴多数のため精査中)

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LION/ライオン 〜25年目のただいま〜(LION)

story

 1988年、インド。5歳のサルー(サニー・パワール)は兄グドゥ(アビシェーク・バラト)と貨物列車に飛び乗り、盗んだ石炭を町でミルクと交換した。乳飲み子を抱える母カミラ(プリヤンカ・ボセ)の元へ持って行くと、やさしい母は「お前が飲みなさい」と言うのだった。4人の子どもを抱えるシングルマザーの母親は、夜になると仕事へ出かけて行く。グドゥも稼ぐために出かけようとしていた。

 早く大きくなって兄の役に立ちたいと思うサルーは、自分も連れて行って欲しいとだだをこねる。しかし、駅に着くと眠気に抗えなくなり、グドゥはサルーをベンチに寝かせたまま出て行った。ところが、夜中に目覚めたサルーは不安になり、グドゥを探して回送列車に乗ってしまう。その列車はサルーを乗せたまま動き出した。

 サルーが到着したのは大都市コルカタのハウラー駅だった。サルーは未知の場所で、人混みに飲み込まれてしまう。浮浪児を集めて怪しい商売をしている男たちから逃れたサルーは、警察を経て、大きな孤児院に収容される。劣悪な環境だったが、幸いサルーは海外への養子縁組を進めているミセス・スード(ディープティ・ナバル)の目に留まった。

 ミセス・スードに紹介されたのは、オーストラリアから来たジョン(デヴィッド・ウェンハム)とスー(ニコール・キッドマン)の夫婦だった。スーは一目でサルーに魅せられる。そして、サルーは夫妻の養子となり、オーストラリアのタスマニアへ渡った。サルーが養父母になれた頃、夫妻は同じ孤児院にいたマントッシュも養子に迎えた。

 2008年、サルー(デヴ・パテル)は養父母のもとを離れ、メルボルンの学校でホテル経営を学んでいた。同じクラスのインド出身の学生たちと親しくなったサルーは、以前から気になっているルーシー(ルーニー・マーラー)と共にホームパーティに招かれる。キッチンにあったインドの揚げ菓子を見た途端、過去の記憶がほとんど薄れていたサルーの脳裏に兄の姿が蘇る。それは、兄との思い出が残る菓子だった…。

アジコのおすすめポイント:

今年の米国アカデミー賞に6部門もノミネートされた話題作が登場です。物語はオーストラリアに実在するサルー・ブライアリーさんが体験したトゥルーストーリー。『英国王のスピーチ』のプロデューサーたちが、この驚異的な体験を綴った原作本に惚れ込み、TVシリーズなどで活躍していた新鋭のガース・デイヴィスに監督を打診。5歳のサルーが辿った道のりを監督自身も実際に辿り、映画化に挑んだのでした。なんと、これが長編映画デビュー作です。成人したサルーを演じるのは、『奇蹟がくれた数式』ですっかり演技派俳優となったデヴ・パテル。本作へは自らアピールして役を勝ち取り、オーストラリア訛りもこなすなど入念な役作りをしています。養父母に扮するのはニコール・キッドマンとシドニー出身のデヴィッド・ウェンハム(懐かしいファラミア!)。そして、本作の一番の注目俳優は5歳のサルーを演じたサニー・パワールくんです。ムンバイの恵まれない子どもたちの学校で発見されたというパワールくん。その天性の演技力と存在感が絶賛され、子役の道を進んでいます。次回作はデミ・ムーアやフリーダ・ピントと共演した米・印合作映画『Love Sonia』。少し成長した姿を見るのも楽しみですね。それにしても……Google Earthってすごいな。


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