| あいつだ（そいつだ/Fatal Intuition）
story
再開発で揺れる海辺の町。製氷所で働くジャンウ（チュウォン）の元へ、妹のウンジ（リュ・ヘヨン）が弁当を持ってやって来る。幼い頃に両親を海で失くしたジャンウは、ウンジを育てるために必死で働いて来た。明るい娘に育ったウンジも高校3年生。思春期を迎え色気も出てきたが、「兄は仕事、妹は勉強」をモットーに、ウンジにはソウルの大学に進学して欲しいと願っていた。
ウンジはゲーム機の置いてある薬局もよく訪れていた。穏やかでやさしい薬局の薬剤師ミン（ユ・ヘジン）は、ジャンウのお得意様でもあった。霊能力者のイ・ジウン（イ・ユヨン）は人々から敬遠されていたが、ウンジはいじめられているジウンを助け、気さくに話しかけていた。
両親の命日の日、ジャンウは仕度をしてウンジを待つがなかなか帰って来ない。美容院でのバイトが長引いていたのだ。ウンジは将来、自分で美容院を開きたいと思っていたが、ジャンウはそれを快く思わない。言い争いの後、ジャンウは鍵をかけてウンジを部屋に閉じ込めたまま外出する。
その夜、ウンジは地下の作業場で物音を聞き、地下に降りていった。そして、潜んでいた男にウンジが襲われるのを、幼い少女が窓ガラスの向こうから見ていた…。ジャンウは警察にいた。行方不明は3日経たないと捜索にならない。必死でウンジを探すジャンウをジウンが訪れる。彼女はウンジの死を予知していた。そして、地下の水槽からウンジの無惨な死体が発見された。
警察は知的障害のある親戚のミンギュ（イ・ジュニョク）を容疑者として逮捕する。ウンジに横恋慕していたミンギュが、下着を盗んでいたのだ。ジャンウは犯人は別にいると確信。浜辺で行われた弔の薦度斎の最中に、ある男を発見する。救魂祭の儀式に使用される器が海に流され、その男の前で止まったのだ。彼が犯人だと直感したジャンウは、ジウンの力を借りて男を追いはじめる…。
●アジコのおすすめポイント：
若手人気俳優のチュウォンと多数の演技賞に輝くベテラン俳優ユ・ヘジンが、従来のイメージを覆す役柄を演じたサスペンスドラマです。99年に釜山で起こった女子大生殺人事件の救魂祭での出来事をヒントに、コン・ジュンヒョン監督が新たな物語を書きあげ、映画として完成させました。従来のサスペンススリラーに、民間儀式や霊能力者の要素も加わり、韓国ホラー的な要素もプラス。復讐が復讐を呼ぶ情念による物語となっています。王子様イメージを捨てて体重を増やし、方言も使ったチュウォン、見るだけでおかしくなるキャラクターから180度転換したユ・ヘジン、さらに『アトリエの春、昼下がりの裸婦』、『背徳の王宮』と脱ぐ女優のイメージがあったイ・ユヨンも心理的な演技にシフト。それぞれの演技対決も見どころです。
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