ビューティー・インサイド
(The Beauty Inside)
story
キム・ウジンは一人でオーダーメイドの家具を作る家具職人。毎朝、目覚めると別人になるという奇病にかかっている。男性、女性、中年、老人、子ども、外国人になる時もある。発症したのは18歳の時だった。このことを知っているのは、一人で彼を育ててくれた母親(ムン・スク)と親友のサンベク(イ・ドンフィ)だけだ。
今は家具会社にいたサンベクと「アレックス」というプライベート・ブランドを立ちあげ、家具をデザイン。イケメンになった時だけ、サンベクと遊びにでかける。今朝のウジン(キム・デミョン)は、隣の女性が気づかないうちにベッドを抜け出した。そして1日が終わると、パソコンのカメラに自分の姿を残して寝るのが日課となっている。
ある日、テーブルの把っ手を探しにアンティーク家具店ママスタジオを訪れたウジン(イ・ボムス)は、接客をしているイス(ハン・ヒョジュ)を見て一目で恋に落ちる。以来、毎日違う姿で店を訪れては、客としてイスと話す日々。どうしても告白したくなり、若くてハンサムなウジン(パク・ソジュン)になった日、ついにイスを食事に誘い出す。
3日間、寝ないで楽しいひとときを過ごしたウジンは、ついにイスにキスをし、翌朝のデートを約束。しかし、帰りの電車でつい寝てしまい、翌朝のウジン(キム・サンホ)はイスに会えなかった。「これで終わりなのか…」ウジンはママスタジオへ買い物に行き、見習い募集を見つける。
翌日、イスは見習いの女性(チョン・ウヒ)に声をかけられ、自宅に招かれる。ところが、ママスタジオで買った家具が並ぶそこはウジンの部屋だった。動揺するイスにウジンは真実を告げ、パソコンの日記も見せるが、混乱して去ってしまう。数日後、思い切ってウジン(上野樹里)の部屋を訪ねたイスは、真実を確認するために一晩を過ごす。
●アジコのおすすめポイント:
昨年夏の韓国公開前後から話題になっていた気になるファンタジー・ロマンスが、早くも公開となりました。本作の原案となったのは、2012年にインテルと東芝が合作した40分余のソーシャル・フィルム「The Beauty Inside」。6つのエピソードからなるこの作品は、1つ目のエピソードをFacebookで公開し、ユーザーから送られてきた様々な映像を組み合せて主人公のアレックスを作っていくというもの。映像も美しく、広告界のカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルで3冠に輝いています。この作品をさらに膨らませ、二人の家族やその後の物語まで描いているのが本作。CMやMVの世界で活躍し、ストーリーテラーとしても評価の高いペク監督が、初の劇場用長編映画に挑戦し、素晴らしいスタッフとキャストを得て、映像・音楽・物語と監督ならではの感性に溢れたみずみずしい作品に仕上げました。主人公のウジンを演じたのは、モンタージュも含めると123人!主要な役柄を映画やドラマで活躍する人気俳優21人が演じ、日本から参加した上野樹里も大切な場面で登場しています。毎日姿が変わる恋人を持つという難しい役柄を演じたのは、日本映画にも出演しているハン・ヒョジュ。ラストシーンのセリフには、彼女自身の提案も生かされているとか。あり得ない設定でありながらリアリティある展開は、もしも自分にこんなことが起こったら?と想像させます。映画を観た後も、様々な感慨と深い余韻が残ることでしょう。
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