20歳よ、もう一度(重返20歳/20 Once Again)
story
70歳のモンジュン(グァ・アーレイ)は、大学教授で自慢の一人息子グォピン(チャオ・リーシン)とその家族に囲まれて幸せに暮らしている。老人問題が専門のグォピンのおかげで存続している高齢者センターに集まっては、マージャンの日々。側には、モンジュンが若い頃に使用人だったリー(ワン・ダーシュン)がいつも付き添っている。
しかし、モンジュンは勝ち気で口が悪く、息子の自慢ばかりするのでマージャン仲間に疎まれていた。さらに家庭でも、心臓病で病弱な嫁のヤンチン(リー・イージュアン)の料理にケチをつけ文句ばかり。バンドをやっている孫のチェンチン(ルハン)には甘かったが、ヤンチンは常にストレスを感じていた。
ある日、ついにヤンチンが倒れ入院してしまう。医者からストレスは禁物と言われ、悩んだグォピンはモンジュンを一時的に老人ホームへ移すことにする。引越の夜、息子や孫のシンラン(イン・ハン)とレストランで食事した後、一人で街をさまようモンジュンの前に青春写真館が現れた。
広々とした写真館で、モンジュンは遺影を撮るつもりでカメラに向かう。「テレサ・テンみたいに撮ってね」「一番美しかった頃のことを思い出してください」写真館を出たモンジュン(ヤン・ズーシャン)は、チェンチンと会うために飛び乗ったバスで、窓に映った自分を見て驚嘆する。
老人ホームの外で野宿したモンジュンは、20歳の頃に若返った姿を受け入れ、新しい人生を生きることに。預金を下ろして下着や服を暢達し、美容院で好きな女優のヘアスタイルにしてもらう。それからリーの家を訪れ、テレサと名乗って部屋を借りるが、リーは行方不明になったモンジュンのことで頭がいっぱいで少しも気づかなかった。
●アジコのおすすめポイント:
日本でも話題となったシム・ウンギョン主演の『怪しい彼女』が、中華圏で新たに蘇りました。天津を舞台に中国ならではのスタイルで本作を手がけたのは、中国版『101回目のプロポーズ 〜SAY YES〜』も手がけたレスト・チェン監督。青春時代を犠牲にして苦労を重ねた老女が、突然20歳に若返ったことで、かつての歌手になる夢や青春を取り戻すというストーリー展開は同じですが、マージャンや老人たちの体操風景、テレサ・テンや往年のヒット曲、人気テレビドラマ「環珠姫」が効果的に使われるなど、リメイクというよりはまさに姉妹編。オリジナル版のファン・ドンヒョク監督も大絶賛の仕上がりとなっています。主人公を演じるグァ・アーレイはかわいくて品はいいのに嫌味なお婆さんを作りあげ、ヤン・ズーシャンは70歳の分別を持つ20歳を見事に演じています。そして、一番の見どころはやはり歌のシーン。本作で映画デビューしたルハン(韓国でEXO-Mのメンバーとして活躍。本作を経てソロに転身)と共に、歌手としてのヤン・ズーシャンの魅力もたっぷり披露してくれます。
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