女神は二度微笑む(Kahaani)
story
コルカタの地下鉄で毒ガスによる無差別テロ事件が起こり、多くの犠牲者が出る。それから2年後、国際空港に美しき妊婦ヴィディヤ(ヴィディヤー・バーラン)が降り立った。ロンドンからやって来た彼女は、荷物を抱えたままホテルへは行かず、警察へ直行する。彼女の目的は、1ヶ月前に行方不明になった夫アルナブ(インドラネール・セングプタ)を捜すことだった。
人捜しの妊婦を見て、警察署の連中は通りいっぺんの質問しかせず、やる気がない。親切な警察官ラナ(パラムブラト・チャテルジー)だけが親身になり、彼女の頼みで夫が宿泊していたはずの安ホテルへとヴィディヤを連れて行った。だが、夫が滞在している記録はなく、持参した写真の顔にも見覚えがないという。
ヴィディヤは夫の手紙から、間違いなくここに滞在していたと確信。夫が居たはずの部屋に宿泊する。次に訪れたのは、夫が勤務していたIT企業NDC。だが、ここにも夫がいた形跡はなく、名前も知らないという。だが、夫と顔の似たミラン・ダムジという男が働いていたという情報をつかむ。
この企業は裏で情報機関とつながる仕事も引き受けており、ミラン・ダムジという男は危険人物として、デリーの国家情報局も捜していた。そして、ヴィディヤの夫捜しに冷徹なエージェントのカーン(ナワーズッディーン・シッディーキー)が介入してくる。夫はこの男と間違えられて、事件に巻き込まれたのかもしれない。ヴィディヤはラナの協力で独自に捜査を進めていくのだが…。
●アジコのおすすめポイント:
インドからまたまた、新たなジャンルの大ヒット映画が登場しました。主人公は女性。しかも大きなお腹をかかえた美しい妊婦が、渾沌としたインドの街で行方不明の夫を捜すというサスペンス。さらに、夫によく似た危険人物が絡み、主人公の周りは危険だらけ。やっと探し出した手がかりが次々と消えるなど、ハラハラしながら伸展を見守ることになります。ところが!二面性を持った戦いの女神ドゥルガーの祭りでクライマックスを迎えるラストシーンでは、衝撃のどんでん返しが待っています。歌や踊りはありませんが、2つの名前を持つ警察官ラナなど、ヒントや伏線はいっぱい。監督はイギリスで学んだ後、ボリウッドデビューし、俳優としても活躍するスジョイ・ゴーシュ。本作で大ブレイクし、数々の監督賞や脚本賞を受賞。すでにハリウッドでのリメイクも決まっています。『めぐり逢わせのお弁当』に出ていたナワーズッディーン・シッディーキーが、ヒゲをたくわえ、まったく違うイメージで登場しています。
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