ザ・レイド GOKUDO(The Raid Berandal)
story
車に乗った男たちが、裏切者を処刑する。男たちは新興勢力プジョ(アレックス・アッバド)の一味。殺されたのはラマ(イコ・ウワイス)の兄アンディ(ドニー・アラムシャー)だった。
マンションでの壮絶な闘いから生き残ったラマは、上司から警察内部にはびこる汚職の全貌を知らされる。この街は警察上層部を取り込むインドネシアマフィアと、ゴトウ(遠藤憲一)が率いる日本ヤクザの停戦協定の上で、なんとか平穏を保っていた。ラマは残りの汚職警官を一掃するため、摘発チームの仲間に加わるよう要請される。
兄がプジョたちに処刑されたことを知り、自分がギャングを敵に回したせいで、最愛の妻子が危険にさらされていることを知ったラマに選択肢はなかった。彼は潜入捜査を命じられる。地元マフィアの聡明なボス、バングン(ティオ・パクサデウォ)の元で、上層部の汚職警官レザ(ロイ・マーティン)が賄賂を受取った証拠をつかむことが目標だ。
ラマはバングンに近づくため、ユダという囚人となって刑務所に潜入。服役中のバングンの息子ウチョ(アリフィン・プトラ)に接近する。ウチョの手下との大乱闘で圧倒的な強さを見せたラマは、ウチョの信頼を得るが、このせいで刑期が延びてしまう。2年後、出所したラマはウチョに出迎えられ、そのままバングンの組織の一員となる。
組織に忠実な構成員ユダとして信頼を深めていったある日、ラマはウチョが重要な仕事を任されないことで、父バングンに激しい不満と野望を持っていることに気づく。そんなウチョを、プジョが巧みに利用しようとしていた…。
●アジコのおすすめポイント:
アクション映画が大好きなイギリス人監督ギャレス・エヴァンズが、インドネシアの格闘技ブンチャック・シラットの達人イコ・ウワイスを主演に、インドネシアを舞台に描いたクライム・アクション『The Raid』(11年)の第2弾です。世界で高く評価された前作を引き継ぎ、主人公の警官ラマが今度は潜入捜査官となり、兄の仇を打つべく組織間の抗争に単身で挑んでいきます。潜入先のマフィアの息子との間にできた絆も絡み、重層的な人間ドラマが展開。アクションシーン満載でありながら、タイトで無駄のないドラマと密着した演出は見事。日本のヤクザも含めて、多数の組織や人物が登場しますが、それぞれに個性的で魅力あるキャラクターになっているので、アクションにもドラマにも感情移入できます。そしてなにより、イコ・ウワイスのアクションの素晴らしいこと! スピーディーで的確な組み手や足技は、ジェット・リーのアクションのように美しく魅了されます。格闘技ファンは必見。
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