カンチョリ オカンがくれた明日
(カンチョリ/Tough As Iron)
story
釜山港の魚市場で働くカン・チョル、ことカンチョリ(ユ・アイン)は、ぶっきらぼうだが情に篤い青年。今日も警察から呼び出され、町を見下ろす塔に登って降りられなくなった母スニさん(キム・ヘスク)をなだめ、亡くなった父のふりをして救い出す。認知症のスニさんは記憶があやふやなのだ。
少女のような母とふたり暮らしのカンチョリは、母の面倒をみながら黙々と働き、懸命に生きてきた。しかし、スニさんには持病も多く、移植手術が必要だった。高い手術代を稼ぐために必死になるカンチョリだが、幼なじみで裏社会に入ったジョンス(イ・シオン)には、いつも堅気になれと忠告するのだった。
旅行で釜山に滞在中のスジ(チョン・ユミ)が、そんなカンチョリをカメラごしに見ていた。たまたま旅行会社で知り合ったふたりは、次第に好意を抱きあうようになる。そして、自由に生きるスジと接するうちに、カンチョリは初めて外の世界へ旅に出る夢を抱き始める。
その頃、ジョンスのいる組織の組長サンゴン(キム・ジョンテ)とフィゴン(キム・ソンオ)の兄弟が、秘かに日本のヤクザと権力争いを始めていた。腕っぷしの強いカンチョリに目をつけたジョンスは、手術代をエサに、彼を暗殺計画に巻き込もうとしていた。そんな時、スニさんの容態が悪化。カンチョリは決断を迫られる…。
●アジコのおすすめポイント:
ドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」で一躍、若手人気俳優の仲間入りをしたユ・アインと、どんな役柄も変幻自在に演じこなすベテラン女優キム・ヘスクが、心温まる母子を演じるヒューマンドラマです。監督は『マイ・ブラザー』(04)で兄弟の絆を描いたアン・グォンテ。助演陣もキム・ジョンテ、キム・ソンオなど旬な俳優が揃い、ホン・サンス作品でお馴染みのチョン・ユミがカンチョリに新しい世界を広げる重要な役柄を演じます。病気と認知症を患う母親という設定でありながら、天真爛漫で少女のようなスニさんとカンチョリとのふたり暮しは、明るく愛らしいメルヘンのような世界。ユ・アインが一番気に入っているキムパップシーン(写真左)など、微笑ましいシーンがいっぱい登場します。終盤、そんなカンチョリがどういう決断をしていくのか…愛に包まれた爽やかなラストをご堪能ください。
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