バレットヒート/消えた銃弾
(消失的子弾/The Bullet Vanishes)
story
軍閥が割拠する1900年代初頭の中国。ある雨の夜、天城の郊外にある大規模な兵器工場で、1人の女子工員が銃弾を盗んだ疑いをかけられていた。ディン社長(リウ・カイチー)らは天意に問うと、彼女にロシアン・ルーレットを強要。女は無実を叫びながら、自ら銃弾に倒れる。それから半年後、その兵器工場で奇妙な連続殺人事件が発生する。
半年前に死んだ女の無実が判明。自ら実験台になって推理や考察を行う捜査官、ソン・ドンルー(ラウ・チンワン)は、その頭脳明晰さを買われ、警察長官(ガオ・フー)から冤罪を防止するために天城に派遣される。列車で天城へ向かうドンルーは、車中で完全犯罪を企んだ女の話を披露する。それは夫(チン・ガーロッ)殺しで捕まったチュアンユアン(ジャン・イーイェン)の物語だった。
天城に赴任したドンルーは、天城警察署でジン署長(ウー・ガン)と対面。売春街を取り締まる刑事で銃の名手グォツイ(ニコラス・ツェー)や部下のシャオウー(ジン・ボーラン)らと知り合い、一緒に捜査をすることになる。早速、被害者たちの遺体を調べたところ、法医学生リージア(ユミコ・チェン)によればいずれも致命傷となった銃弾が見つかっていないという。
現場検証のため、ドンルーたちは工場へと向かう。工場では、半年前に死んだ女による呪いの銃弾で殺されたという噂が広がっていた。恐れを成す工員たちは、街の女占師(ヤン・ミー)にも頼っていた。ドンルーたちと知り合った彼女も捜査に協力することになる。そんな中、再び事件が起り、ドンルーたちはディン社長の右腕でグォツイのライバルでもあるワン・ハイ(ワン・ズーイー)に疑いを持つ…。
●アジコのおすすめポイント:
1910年頃の軍閥時代を背景に描いたミステリー仕立てのポリス・アクションです。『捜査官X』、『王朝の陰謀/判事ディーと人体発火怪奇事件』の世界にも通じるものがありますが、ラウ・チンワン演じる刑事のキャラには『マッド探偵/7人の容疑者』のパロディも。シャーロック・ホームズばりの謎解きの面白さと、ニコラス演じる若手の腕利き刑事とのコンビネーションが楽しめるバディ・ムービーにもなっています。凝った映像の場面も多く、全体的に無国籍な雰囲気も。サイレント映画を真似た完全犯罪の再現シーン(チン・ガーロッ、上手いです)は必見。悪徳工場長を演じるリウ・カイチーの誇張された演技にも、ハリウッド映画の影響が見られます。
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