太極/ゼロ(太極1従零開始/Taichi 0)
story
清朝末期の中国。朝廷軍と戦う天理教勢の中に異形の青年がいた。彼の名は楊露禅(ユエン・シャオチャオ)。生れた時から天賦の身体能力を持っていたが、額にある肉芽を押されると目から異様な光を発し、制御不能な無敵拳士へと変貌する。そして、力が尽きると鼻血を出して倒れるのだった。
医者の薫先生(ブルース・リャン)は、その肉芽が修行を極めた証の「三花聚頂」であることを知っていたが、心身のバランスが取れていないため、このままでは死に至ると説明。それを防ぐためには、秘拳の陳家拳を体得して内面を鍛えるよう忠告する。
奇襲で命を落とした薫先生の遺言を胸に、露禅は秘境の果てにある聖地、陳家溝へと向かう。そこでは村人たち全てが拳法の達人で、なかなか村の中に入れてくれなかった。村の外で出会った不思議な老人のアドバイスで、露禅はすぐに村人の拳法を体得。対戦することで技を身につけていく。
そして、やっと会えた陳家拳(陳式太極拳)の師匠、陳長興(レオン・カーファイ)は、あの老人だった。しかし、陳家拳は秘伝のため弟子入りは叶わない。その頃、陳の娘、玉娘(アンジェラベイビー)が恋人の方行敬(エディ・ポン)と村へ戻って来る。しかし、西洋技術を学んだ方は、村に鉄道を敷くため村人を立ち退かせようとしていた。
陳家の人々はもとより、村人たちにも反対された方は一人村を離れ、巨大な鉄の怪物「トロイ」を連れて再び村の前に現れる…。
●アジコのおすすめポイント:
古来から様々なカンフー達人を輩出している中国。ここ数年はブルース・リーにあやかって、イップ・マン・ブームが続いていますが、本作は日本人にも親しみのある太極拳の創始者、ヤン・ルーチュアン(楊露禅)の若き日の物語です。ストーリーを作ったのは、台湾の映画監督で大陸との合作を続けて来たチェン・クォフー(陳国富)。監督は2年前にダニエル・ウーと映画製作会社を作ったスティーブン・フォンが担当。主演を北京オリンピックの長拳部門金メダリストで、広州アジア大会でも太極拳などで金メダルを制覇したユエン・シャオチャオが演じ、まさに中国、香港、台湾が力を合わせた作品となりました。また、アメリカ生れのスティーブンらしく、アメコミ風コミックをはさんだ演出で、伝統武術を扱いながらもポップなコメディに仕上がっています。若干24歳のユエン・シャオチャオは、ジェット・リーに継ぐ逸材として注目されている新人。カメオ出演のゲストスターも楽しく、どんな役で出て来るかもお楽しみ。3部作シリーズの序章は、ルーチュアンの弟子入り苦戦記と悪役を演じるエディ・ポンに復讐心が芽生えるまでのいきさつを描いています。続編と合わせて、お楽しみください。
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