3人のアンヌ(In Another Country)
story
映画学校の学生ウォンジュ(チョン・ユミ)は、母親と一緒に借金取りから逃げて海辺の街へやって来た。そこで彼女は気を紛らわすために、フランス人女性の「アンヌ」を主人公にした映画の脚本を書き始める。アンヌが海辺の街モハンにやって来て、そこでライフガードと出会うひと夏のヴァカンスのお話を。
青いシャツのアンヌ(イザベル・ユベール)は、成功した有名な映画監督。友人の映画監督ジョンス(クォン・ヘヒョ)と妊娠中の妻クムヒィ(ムン・ソリ)と共にモハンへヴァカンスにやって来る。アンヌは散歩にでかけ、海辺でライフガード(ユ・ジュンサン)と出会う。彼はアンヌを自分のテントに招待し、自作の歌をプレゼントする…。
赤いワンピースのアンヌ(イザベル・ユベール)は、浮気中の人妻。愛人の映画監督スー(ムン・ソングン)に会うため、モハンへやって来た。スーの到着が遅れ、アンヌは灯台見物にでかける。海辺で出会ったライフガード(ユ・ジュンサン)をつけ、彼のテントにたどりつくが、彼の誘いを断る。そして、海辺で現れたのは…。
緑のワンピースのアンヌ(イザベル・ユベール)は、夫と離婚したばかりの女。民族学者の友人パク・スク(ユン・ヨジョン)の勧めで、お寺を訪れたりお坊さんに会ったりもするが、気が晴れない。灯台を訪れる途中の浜辺で、焼酎を飲み始めたアンヌは、ライフガード(ユ・ジュンサン)と一緒に焼酎を飲み、酔った勢いで彼のテントへ…。
●アジコのおすすめポイント:
愛をテーマに大人の男女の出会いや機微を描いてきたホン・サンス監督。本作ではフランスの名女優イザベル・ユベールを主人公に据え、登場人物や背景は同じまま、3つのタイプの女性がたどるドラマを描いていきます。青いシャツを着た映画監督のアンヌは、アンニュイ感漂う大人の女性。かつて親しかった映画監督夫妻とモハンを訪れ、別な出会いを求めていく女。赤いワンピースのアンヌは、愛人の映画監督と会うためにこっそり抜け出して着た人妻。恋する彼女はいつも愛に溢れ、一番かわいらしく見えます。緑のワンピースのアンヌは心に傷を抱えた女性。癒しを求めながらもなかなか癒されず、結局出会ったのは…というお話。どれも、ユ・ジュンサン演じるちょっと間抜けでコミカルなライフガードがキーになっています。彼に幸せは訪れるのか? シナリオは用意せず、俳優の演技を見てほぼ即興で演出されたという、3つのアンサンブルをお楽しみください。
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