私の少女時代(我的少女時代/My Girlhood)
story
1960年代後半、文化大革命が始まった中国のある都市。5歳の時に発症した病で下半身が麻痺し、学校へ行くことができなかった少女ファンタン(リー・イーシャオ)は、いつも窓際のベッドで本を読み、ひとりで勉強していた。
ある日、ファンタンは窓の下の木陰でアコーディオンを弾く青年リージェン(ワン・イー)と知り合い、親しくなる。動けない彼女のために、いろいろな本を届けてくれるリージェン。しかし、互いに淡い恋心を抱いたのも束の間、二人は別々の場所に下放されてしまう。
下放された田舎で、リージェンは大好きな本も読めず鬱々とした日々を過ごすが、ファンタンは近所の悪ガキのサンパンズー(シー・レイ)たちに慕われるようになり、村人から手作りの車椅子をプレゼントされる。子どもたちのおかげで、外出もできるようになったファンタンは、初めての開放感を味わうのだった。
学校の臨時教師も任されるようになったファンタンは、ろう唖の子シャオジンライ(チェン・ウェイ)のために、独学で鍼灸の治療法を身に着ける。そんな彼女は無医村の下放地で重宝され、無料で治療するファンタンのもとへ治療を受ける人が列をなした。しかしシャオジンライは、どんな治療を試しても言葉を発することはなかった。
そんなある日、文通を続けていたリージェンがファンタンのいる村を尋ねてくるのだが…。
●アジコのおすすめポイント:
バルコニーをはさんだ恋、ということで、最初は中国版「ロミオとジュリエット」みたいなお話かと勘違いしたのですが、本作は中国のヘレン・ケラーと言われているチャン・ハイディーの自伝的小説「車椅子の上の夢」の映画化。ご本人が脚色し、冒頭と最後にご本人が大人になった主人公役で登場しています。文革で淡い恋は引裂かれますが、下放先での生活が実はメイン。子どもたちに慕われ、独学で勉強して鍼灸師としての道を歩む主人公の逞しい姿が描かれていきます。(催涙弾映画風の演出もありますが、映像はきれい)子どもたちが生き生きと描かれているのは、さすが中国映画。男性はどうなったか?…それは劇場でご覧ください。
▼公式サイト 閉じる
|