やがて哀しき復讐者(報應/Punished)
story
大手不動産会社社長のウォン(アンソニー・ウォン)は、仕事のためには手段を選ばない冷酷な男。彼は2年もの間トンウォ村の開発に力を入れていたが、住民の反対に手を焼いていた。
再婚した妻(マギー・チョン)との生活もうまくいかず、病死した前妻との子で長女のデイジー(ジャニス・マン)は夜遊びとドラッグに溺れ、彼女を監視する秘書のエイミー(キャンディ・ロー)も手を焼いていた。音楽を愛する長男のチュン(ペリー・ウォン)は、医大進学を強制するウォンに不満を募らせていた。
ある日、デイジーはボリビアのウユニ塩原にある「天空の鏡」に行こうとしていた。怒ったウォンは、彼女のパスポートを破り、デイジーは家出してしまう。数日後、ウォンの携帯に動画メールが届けられた。そこには目隠しされたデイジーが「誘拐されたの。身代金は5000万HKドル。警察に通報したら殺される」と叫ぶ姿が映し出されていた。
ウォンは娘の自作自演と決めつけ、警察には通報せず自分で金を用意する。翌日、渋滞に巻き込まれ、身代金を奪われたウォンは、裏社会にも通じる腹心のチュウ(リッチー・レン)に犯人探しを依頼する。そしてついに、「家出したデイジーを誘拐し、生きたまま2人の男に手渡した」という有力な情報を入手したチュウは、ある場所へ向かった。
チュウからの連絡で現場へ向かったウォンは、そこで遺体となったデイジーを見つける。事件を隠したいウォンはデイジーの密葬を行い、妻たちには「デイジーはアメリカに行った」と嘘をつく。そしてチュウは、密かに犯人への復讐を誓うウォンに協力することを決意し、「2人の男」を執拗に追い続ける…。
●アジコのおすすめポイント:
「天空の鏡」として有名なボリビアの山頂にある塩湖。映画はその真っ白な塩原に立つアンソニー・ウォンから始まり、彼がなぜそこにいるのか…という回想形式で事件の謎が解かれていきます。やや難解な進行ですが、とにかく苦悩するアンソニー・ウォンのアップが印象に残る作品です。果てしない復讐の果てに男が見た景色とは? 彼の腹心を演じるリッチー・レンも実直な男を好演。監督はジョニー・トー作品を様々な形でずっと支えているロー・ウィンチョン。本作もトー組の強力なキャスト&スタッフが揃っています。ちなみに、長男チュンを演じたペリー・ウォンは、本作で俳優デビューを飾ったアンソニー・ウォンの息子です。
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