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トガニ 幼き瞳の告発

監督:ファン・ドンヒョク
脚本:ファン・ドンヒョク
原作:コン・ジヨン
  「トガニ 幼き瞳の告発」(訳・蓮池 薫/新潮社刊)
撮影:キム・ジヨン
編集:ハム・ソンウォン
音楽:モグ
出演:コン・ユ、チョン・ユミ、キム・ヒョンス、チョン・インソ、ペク・スンファン、キム・ジヨン、チャン・ガン、キム・ミンサン、オム・ヒョソプ

2011年/韓国
日本公開日/2012年8月4日
カラー/シネマスコープ/ドルビーSRD/125分/R-18
配給:CJ Entertainment Japan
(c)2011 CJ E&M Corporation.
2011年 青龍映画賞 音楽賞(モグ)
2012年 イタリア ウディネ・ファーイースト映画祭
 観客賞・ブラックドラゴン観客賞(ファン・ドンヒョク)


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トガニ 幼き瞳の告発(トガニ/Dogani)

story

 カン・イノ(コン・ユ)は、郊外にある霧の街ムジンへ車を走らせていた。恩師の紹介で、聴覚障害者の学校「慈愛学園」で美術を教えることになったのだ。だが、途中で鹿をはねてしまい、訪れた修理工場で人権センターの幹事ソ・ユジン(チョン・ユミ)と知り合う。

 着任早々、イノは不穏な空気を感じ取る。温和そうなのに目が笑っていない校長(チャン・ガン)。双子の行政室長(チャン・ガン二役)は、平然と礼金を要求してくる。何より違和感を感じたのは、生徒たちの怯えたような暗い表情だった。ある夜、イノは子どもの悲鳴を聞いて確かめようとするが、駆けつけた警備員が押しとどめるのだった。

 数日後、同僚のパク教師(キム・ミンサン)が男子生徒ミンス(ペク・スンファン)を職員室で袋叩きにしていた。寮を黙って抜け出した罰だという。さらに、食欲旺盛だが知的障害を持つユリ(チョン・インソ)に導かれ、ある部屋にたどり着くと、女寮長のユン・ジャエ(キム・ジュリョン)が女生徒ヨンドゥ(キム・ヒョンス)の顔を、回る洗濯機の水の中へ押し込んでいた。

 激昂したイノは、ヨンドゥをすぐさま入院させ、ユジンに連絡を取る。ユジンが筆談でヨンドゥから聞き出した真実は、おぞましいものだった。学園では複数の生徒たちが、校長や教師たちから性的虐待を受けているという。しかも、警察は地元の名士である校長に買収されていた。

 怒りに震えるイノとユジンは、マスコミに訴えて真実を暴露する決意をする。TVカメラの前で、自らの体験を手話で語る子どもたち。子どもたちの衝撃的な告白がTVで放映され、警察もようやく重い腰をあげる。ついに、校長たちは逮捕され、戦いの場は法廷へと移ってゆくのだが…。

●アジコのおすすめポイント:

重いです。重いですが、見るべき作品の1つでしょう。この気分は『闇の子供たち』を観た後に味わった、なんともやるせない辛さや怒りと似ています。兵役中に原作本を読んだコン・ユが映画化を希望したというのも、おそらく同じような感情に触発されたのでしょう。コン・ユえらい!やりました!これぞ、映画の力。この作品を観た大勢の観衆が世論を動かし、9月の映画公開後にモデルとなった事件が再捜索されました。さらに10月末、イ・ミョンバク大統領が子どもへの性暴力をさらに厳罰化した改正案「トガニ法」を成立させました。関係者は再逮捕され、学校は今年2月末で閉校しています。このような、羊の皮を被って弱者を虐げる事件は、国を問わずあちこちに隠れていることでしょう。声を挙げることの重要さ、力を感じさせる良心の入魂作です。
(*「トガニ」とは「るつぼ」という意味)


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