超強台風(超強台風)
story
地球温暖化の影響で、太平洋上に強力な台風12号が発生。「藍鯨(あいげい)」と名づけられたその台風は、台湾を直撃した後、中国沿岸部の人口120万人の都市に進路を向けていた。その頃、西洋人カメラマンがこの街を訪れる。彼は大型台風の目を撮影することに意欲を燃やしており、この地で台風の到着を待つことにしたのだった。
一方、臨月の妻が待つ島へ戻ろうとしていた男は、台風の影響で船が引き返すことになったため船上で騒ぎを起していた。妻の陣痛が始まったのだ。街を視察していた市長(ウー・ガン)は、台風の進路が不安定な中、市民を緊急避難させるべきか、ダムや港は持ちこたえられるのか…判断に迷っていた。もし台風がそれた場合、38億元の経済的損失が生じる。しかし台風が来てから避難させるのでは間に合わない。
彼は、小学校時代の恩師でもある気象学者(ソン・シャオイン)の協力を仰ぎつつ最善の方法をさぐり、人命は何にも増して尊い、被災の可能性がある以上すみやかに市民を避難させるべきだ、とついに決意する。やがて台風が街に上陸。強風が人も車も吹き飛ばし、山のような高波が街へ押し寄せる。陣頭に立った市長は自ら暴風雨の中に飛び込み、市民たちと力を合わせて救出を待つ人々を救っていくのだった…。
●アジコのおすすめポイント:
地震や洪水、台風など、様々な自然の驚異にさらされている中国大陸ですが、このようなディザスター映画は少ないそう。映画を観た市民がいざという時に役立つように、という目的から出た企画でしたが、20年前に『大気圏消失』という災害映画で長編デビューしたフォン・シャオニン監督が手がけたことで、これまでに培った経験と技術を最大限に発揮した手作り感溢れる作品に仕上がっています。「どの場面も、どの小道具も私自身の創作」という本作の製作費はわずか5千元(6〜7億円)。CGに頼らない実写の迫力が本作の見所といえるでしょう。細かい部分では、市長と波しぶきなど突っ込みどころも多々ありますが、それはそれで楽しめます。こんな男気のある市長がいたら、頼もしいですよ。
▼公式サイト 閉じる
|