ホーンティング・ラヴァー 血ぬられた恋人たち (借室還魂/The Haunting Lover)
story
広州。無職の青年リャンクァン(ヴァネス・ウー)は恋人シウチャン(加護亜依)の叔父の紹介で老舗製薬工場へ面接に来る。学歴がなく職を転々としていた彼はシウチャンに励まされ、ようやく新たな一歩を踏み出そうとしていた。
ところが、リャンクァンが従業員の前に現れた瞬間、工場の空気が一瞬止まった。数年前に失踪した社長の3男チャンクァン(ヴァネス・ウー)とそっくりだったからだ。驚きを隠せない工場長はリャンクァンを不採用にしてしまう。落胆したリャンクァンだったが、帰り道にたまたま事故に会った次男を助けたため、それが縁で工場に採用される。
ある日、工場の外壁の修理を言いつけられたリャンクァンは、偶然不思議な部屋を発見する。吸い寄せられるようにその部屋に入ると、そこには自分とそっくりな男と美しい女性の写真が飾られていた。それは3男のチャンクァンとその恋人フーロン(リー・シャオルー)だった。
そこには一冊の日記帳が置いてあった。そして、リャンクァンがその内容を見ていたまさにその時、部屋に霊となったフーロンが現れる。 彼女はチャンクァンをリャンクァンと間違え「10年待っていた」と、彼につきまとうようになるのだが…。
●アジコのおすすめポイント:
アクション畑出身のイップ・ウィンキン監督が、『カンフー無敵』『カンフーシェフ』に続いてヴァネス・ウーを主演に作り上げたホラー作品。行方不明の恋人を探すせつない女幽霊というと、スタンリー・クワン監督の『ルージュ』(主演はアニタ・ムイ)を思い浮かべますが、そんなムードも漂わせつつ、タイやシンガポールなど南国のアジアン・ホラー的演出もあり。いろいろ盛り込んだ分、ちょっと展開がわかりにくく説明不足になっている面もありますが、いかにも香港映画らしいホラー作品です。映像よりも音響で怖さが増す演出なので、怖いのが苦手な方でも大丈夫。まったく違うタイプの青年2人を演じるヴァネスをお楽しみください。映像も凝っています。ちなみに、本作と同じ中国語タイトル『等着[イ尓]回來』で、トニー・レオンとン・シンリン主演のホラー作品がありますが、あれは怖かったです。
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