夜の上海 (The Longest Night in Shanghai)
story
トップ・ヘアメイク・アーティストの水島直樹(本木雅弘)は、撮影に取材に…と多忙な日々を送っていた。マネージャーは、プライベートでもパートナーの美帆(西田尚美)。二人は、まだ有名になる前からの付き合いで、共にここまで昇りつめてきた仲だったが、充実した日々とは裏腹に、いつの間にか心が通わないようになっていた。
そんなある日、上海での音楽祭の仕事が入る。アシスタントを引き連れて上海入りした水島たちを迎えたのは、風変わりな現地エージェントの山崎(竹中直人)と通訳(サム・リー)だ。そして、以前から気になっている男、河口(塚本高史)も空港に到着していたのを、水島は見逃さなかった。
上海の街を乱暴な運転で闊歩するリンシー(ヴィッキー・チャオ)は、タクシーの運転手。化粧もろくにせず、髪もぼさぼさのままだったが、乙女心は持っており、ハンサムな自動車整備工のドンドン(ディラン・クォ)と結婚することを夢見て、結婚資金まで貯めていた。そして、わざと車をぶつけては、ドンドンを呼び出して修理してもらっていた。ところが、まだ告白もしない内に、明日ドンドンが結婚することを知らされる。
音楽祭は無事に終わり、水島は一人で上海の街へ散歩にでかける。ひさしぶりの自由な時間を満喫する水島だったが、いつの間にか道に迷っていた。そして道路へ出た時に、タクシーにぶつかってしまう。それは、リンシーが運転するタクシーだった。幸い怪我はなく、リンシーは水島を送ろうとするが、ホテルの名前も場所も財布も忘れている上に、言葉も通じない。やむなく、水島はリンシーにとって特別な夜を、共に過ごすことになるのだが…。
●アジコのおすすめポイント:
人生で最悪の日が、いつの間にか最高の日へのスタートになっていた…というような、出会いのマジックを感じさせる旅恋ロマンチック・ストーリー。といっても一夜の出来事なので、まだ恋愛未満。映画で描かれているのは、黄色信号で進退に迷っている男が、赤信号なのに諦め切れない中国人の女性と知り合い、せめて相手に思いを伝える手助けをしたいと奮闘する物語が中心です。そして一緒に時間を過ごす内に、いつの間にか心は…。主人公の周りの人たちの恋模様も織り込まれ、皆、それぞれの幸せを見つけていきます。
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