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黒い眼のオペラ

監督・脚本:ツァイ・ミンリャン
撮影:リャオ・ペンロン
美術:リー・ティエンジェ
編集:チェン・シェンチャン
録音:ドゥ・ドゥージ、タン・シアンチュ
キャスト:リー・カンション/チェン・シャンチー/ノーマン・アトン/パーリー・チュア

2006年/台・仏・オーストリア
日本公開日/2007年3月24日
カラー/ビスタ/118分
配給:プレノンアッシュ
(c) Homegreen Films & Soudaine Compagnie 2006
Vienna Mozart Year 2006 参加作品
2006年 東京フィルメックス クロージング作品



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黒い眼のオペラ
(黒眼圏/I Don't Want To Sleep Alone)

story

 クアラルンプールの街を彷徨うシャオカン(リー・カンション)は、怪しげな賭けに手を出して袋叩きに遭う。瀕死の重傷を負って倒れていた彼を助けたのは、捨てられた大きなマットレスを運んでいる労働者たち。その中の一人、ラワン(ノーマン・アトン)は、傷ついたシャオカンを手厚く看護し、次第に穏やかで満ち足りた感情を抱くようになる。

 小さな食堂で働いているシャンチー(チェン・シャンチー)は、女主人(パーリー・チュア)の寝たきりの息子(リー・カンション2役)を、毎日規則正しく看病していた。屋根裏部屋に住み込み、朝から晩まで過酷な労働の日々。そんなある日、傷の癒えたシャオカンが食堂へやって来る。シャンチーは次第に彼を意識するようになり、女主人もまた、息子に面影の似た彼に惹き付けられていった。

 すっかり回復したシャオカンは、ラワンとシャンチーの間を彷徨っていた。野良犬のように、彼らを挑発してみせたかと思うと、蛾のように自由に飛び立っていく。ラワンはお互いの関係に満足していたが、街中が煙りに包まれたある夜、シャンチーの存在を知ることになり…。

●アジコのおすすめポイント:

マレー系、中華系、インド系と、まさに多民族が混然と同居しているマレーシアならではの映像。従来のツァイ・ミンリャン・ワールドが異国(といっても監督の母国なのですが)の地に放たれたことによる化学反応と、不思議なテイストが味わえます。が、愛を渇望する男女の、なかなか繋がり合えない孤独感は、ここでも健在。ラスト、静かに漂って来る風景には、やさしさと愛が溢れています。


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