『風のファイター』
撮影現場に行ってきました!
2004年6月1日
傷だらけの男が横たわっていて、その横で一人の芸者が彼を見守り傷を治療している。
「動いちゃ駄目!
大丈夫、無理さえしなければね。」
「あ、ありがとう、陽子さん。」
ここは映画『風のファイター』(アイ・ビジョン・エンターテインメント制作)撮影中の韓国・郡山(グンサン)市新興(シンフン)洞にある湖南(ホナン)製粉の私宅。日本式建物のため映画『将軍の息子』などの撮影場所でも有名です。3月11〜15日までの4泊5日間、私は通訳としてロケに同行しました。
主演俳優はもちろん、監督と撮影スタッフらは朝早くから撮影準備で大忙しです。いよいよ最初のシーン撮影がスタート。梁允豪(ヤン・ユンホ)監督は撮影監督とスタッフに準備事項を指示し、これを通訳がこまめに通訳します。
部屋の中にスモークがたかれ、照明も準備完了。撮影現場には韓国語、日本語に英語の3カ国語が飛び交い、声が響き渡ります。
「shot ガムニダ」
「本番行きます」
「ジョヨンヒヘジュセヨ」
「静かにしてください」
「レディ、カメラアクション!」
陽子(平山あや)がべダル(ヤン・ドングン)を自分にもたれさせたまま肩に包帯を巻き、最後に紐を結びます。そんな陽子を痛みでしかめた顔のべダルがじっと見つめる…この短いシーン1つ撮るのにも1時間は基本。シーン1つ1つに気合を入れていました。
『風のファイター』は極真空手の創始者、大山倍達(チェ・ベダル)の波乱の生涯を描いています。89年から4年6カ月間、韓国・スポーツソウル紙(韓国のスポーツ新聞)に掲載され、爆発的な人気を集めた漫画を映画化したものです。注目はべダルを苦しめた教官(加藤雅也)との対決、そして芸者・陽子(平山あや)との愛です。
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