原作者の森絵都さんも「二卵性ふたご」として絶賛応援している『ホームステイ ボクと僕の100日間』。公開前に監督と主演の二人、ティーラドン・スパパンピンヨーとチャープラン・アーリークン(BNK48)が来日し、宣伝活動を行いました。ティーラドンは日本でも大ヒットした『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(17年)がデビュー作品。チャープランは女性アイドルグループ「BNK48」のキャプテンとして活躍中。本作で初めて演技を披露し、女優デビューを飾っています。アジクロでは、この若い二人にインタビューをすることができましたので、公開に合わせてご紹介します。
Q:お二人とも日本とは縁が深いですが、昨夜の初めての舞台挨拶(川崎チネチッタ)はいかがでしたか?
ティーラドン「ハッピーでうれしかったです。もともと『ホームステイ』は日本の小説「カラフル」が原作だったので、タイで映画化されましたが、それが日本で上映されるということは、生まれた国に帰って来るようなもの。それをうれしく思ったと同時に、川崎にいらした観客の皆さんの年齢層の幅が思ったよりもすごく広くて、新鮮な驚きでした。いろいろな年齢の方たちが僕たちの作品に興味を持ってくださっているんだなあと、うれしかったです」
アイドルグループ「Trinity」としてデビューライブを飾ったばかりなので、そのイメージで来日
Q:タイの観客はもっと若いのですか?
ティーラドン「タイでもいろんな年齢層の方がいますが、日本の方が幅広く感じました。もちろん、このお話は高校生が登場人物ですが、伝えたい内容はもっと大人のものなので、いろいろな年齢層の方に観ていただきたいと思っていました。それがかなってうれしいです」
チャープラン「二人とも日本には縁があって、何回も来ているのですが、日本の映画館に足を運び入れたことはなかったので、昨日初めて日本の映画館の中に入れてうれしかったです。それから、タイ語版「カラフル」もあるのですが、日本語からタイ語版に訳した翻訳者の方が映画を観に来てくださってて、それもうれしかったです」
Q:本国での反応を伺いたいのですが、本国で公開された時に耳に入って来たことや、メッセージ、うれしかったことがあれば教えてください。
ティーラドン「いろいろなメッセージをいただいたのですが、その中ですごく印象に残っているものがあります。僕が直接聞いた話ではなくて、パークプム監督の方に届いたお話なのですが、観客の中に人生に失望して自殺を考えている人がいたんです。それで『ホームステイ』を観て人生について考え直し、生きる希望をもらった、というコメントをいただきました。この作品は、ただ楽しいだけの娯楽映画ではないんですね。人の生活とか命とか人生に関わって、いい方向に導くことができたのは素晴らしいことだと思いました」
「BNK48」のキャプテンとして人気のチャープランは、アイドルグループとしては大先輩
チャープラン「もちろん、ファンの方たちからもいろんなコメントをもらいました。いいコメントもあれば、よくないコメントもありましたが、ほとんどがいいコメントでした。タイ映画では、これまでCGを使った作品はあまり多くなかったのですが、今回は凄くCGを駆使していて、とても優れた作品に仕上がっています。それについてもお褒めの言葉をいただきました。それから、もともと私のファンだった人が、映画を観てますますファンになってくれて、握手会に来てくれたんです。握手する時に『映画を観てすごく勇気をもらいました。ありがとう』という感謝の言葉をいただき、それもすごくうれしかったです」
Q:二人のキスシーンでは劇場で悲鳴があがったそうですが、昨日も聞かれましたか?
チャープラン「日本ではなかったです(笑)」
Q:タイではどうでしたか?
ティーラドン「僕もそのリアクションは知っていて、自分でこっそり映画館に観に行って楽しんでました。僕のファンクラブ対象の上映会では、女性が多かったので『キャー!』という悲鳴が多かったです。観客によってぜんぜん違います」
チャープラン「私のファンクラブでは『ヤダ〜』『ヤメテ〜』だった(笑)」
ティーラドン「普通の一般上映の時にこっそり観に行ってみると、その場面ではシ〜ンとしてて、何も言わなかった。マスコミ上映会でもシ〜ンとして無言でしたね。でも、皆さんが映画に引き込こまれているなというのがわかり、楽しく観察しました」
チャープラン「ファンの人たちも、引き込まれて悲鳴をあげていたので、これはあくまで演技、仕事なんです、と。この役をちゃんと演じて、映画の内容を伝えるためにやっているのだと説明し、最終的にはファンの皆さんにも理解してもらえました」(続きを読む)
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