春の香港は映画の季節!
香港国際映画祭
2006年3月20日
今年で30回目を迎える香港国際映画祭が、いよいよ4月4日に開幕します。東京などと違ってアート系や独立系シアターの少ない香港では、ハリウッドや日本・韓国以外の外国映画や非商業的作品を観られる貴重な機会。今年も新旧・東西を問わず大作から実験的作品まで、様々な作品が上映されます。
目玉はやはり、香港映画の最新作。今年最も人気が高いのは、映画祭の開幕作品で、杜[王其]峰(ジョニー・トー)監督の大ヒット作『黒社会/Election』の続編『黒社会以和為貴』。ワールドプレミアとなる4月4日のチケットは発売2時間で完売と、映画祭始まって以来の最短記録を作りました。この作品のほか、映画祭ではトー監督の映画会社、銀河映像の特集も組まれており、男気あふれる世界を一気に堪能できるチャンスです。
同じく開幕作品に選ばれた彭浩翔(パン・ホーチョン)監督の『伊莎貝拉/Isabella』も人気の一作。先日のベルリン国際映画祭では、金培達(ピーター・カム)が音楽賞を受賞しており、マカオを舞台にした詩情豊かな映像と監督得意のヒネリのきいたストーリーが高く評価されています。
香港・台湾映画ではこの他、黎妙雪(キャロル・ライ)監督が劉偉強(アンドリュー・ラウ)のプロデュースで制作したホラー『小心眼/The Third Eye』、同じくホラーで香港・日本・タイの合作映画『黒夜』もワールドプレミアとなります。
『小心眼』はインディーズ系の監督と香港一のヒットメーカーのタッグに、Shineの黄又南(ウォン・ヤウナム)、2Rの黄婉伶(レース・ウォン)といったオルタナ・アイドルが主演。そしてレース・ウォンが掛持ち(?)主演している『黒夜』は、台湾のイケメン俳優・郭品超(ディラン・クオ)と『阿嫂』の劉心悠(アニー・リウ)に加え、柏原崇と瀬戸朝香という多国籍キャストによるオムニバス的作品です。
また、『三岔口/Divergence』(*2006年日本公開予定)で念願の「影帝」となった郭富城(アーロン・クォック)が、現在撮影中の新作『父與子』のハイライト上映も。これは、『父與子』の監督・譚家明(パトリック・タム)の出世作『烈火青春/Nomad』 とともに上映されるスペシャル・プレゼンテーション。『烈火青春』は言わずと知れた張國榮(レスリー・チャン)主演の青春映画なので、元祖香港アイドル・ファンにはおいしい企画かもしれません。
このほか香港映画ファンならちょっと見逃せないのが、4月5日と9日に上映が予定されている「神秘電影/Film Surprise」。プレス発表の段階でまだ撮影中というこの作品、監督も出演者も明らかにされていませんが、パンフレットやウェブサイトの紹介ページには香港スター50人余りの写真がコラージュされていて、どうやら「スターの作り方」をテーマに現役人気アーティストらが業界の裏側を赤裸々に語る内容のよう。香港芸能界はこういうシャレがかなり通用するので、本当に彼らが出演してアブナイ発言をしているかもしれません。
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