司会「この映画の見所を教えてください」
ジージャー「監督が一番苦労したのは、私のように小さい女の子が、男の人をバッタバッタと倒し、闘って勝つということころに、どうやってリアリティをもたせるかということでした。長い間悩んだ末、最終的に、ある面で天才的な才能を発揮する自閉症の女の子、という設定にしました。それによって、観客が納得するように作ってあります。
それから、小さな女の子が大きな男たちを倒すために、スピードとしなやかさのある技をたくさん使っています。そこも見所です。それと、阿部寛さんが素晴らしい心を持ったヤクザ(阿部ちゃん笑う)という役柄を演じていて、そこも重要なのでぜひ観てください」
阿部「さっきしゃべり過ぎて、見所をほとんど言ってしまったんですけど(笑)、最後のエンドロールのところにこの映画のNGシーンが出て来ます。それを観ると、どれだけ大変にこの映画を撮ってて、どれだけ危険なことをやっていたかというのがリアルにわかるんですよ。僕も撮影をやってた時に怪我もしたし…今はもう問題ないですが、やっぱりリアルファイトっていうのかな。CGを全然使わないでやる撮影っていうのは、これだけリスクを背負うんだなというのが、最後を見ればわかるので、最後まで観ていただきたいと思います」(拍手)
この後、アクションイベントが控えているので、舞台挨拶はここで終了。フォトセッションの後で2人は退場し、お笑いタレントのザブングルが登場します。加藤歩がムエタイ選手、松尾陽介がコーチにに扮し、そこへジージャーが再登場。怯えるムエタイ加藤、コーチ松尾を相手に、得意の足技を披露しました。ハイキックはすごいものの、ジージャーが小柄なのであまり痛くないように見えるのですが、これが素人相手の単なるアトラクションだったというのが、その後の映画本編を観てよくわかりました。
11歳からテコンドーを始め、師範免許も持つジージャー。さらに2004年、オーディションでピンゲーオ監督たちに見い出され、4年の歳月をかけてこの映画のために猛特訓を重ねました。そんなジージャーの生身のアクションは、ほんとうにスゴイ! まさに度胆を抜かれます。見所や名場面はたくさんあるのですが、特にラストに展開される建物でのアクション(簡単には説明不能)は圧巻。小柄なジージャーの身体がフルに活かされた、名バトルシーンと言えるでしょう。
さらに、アクション満載でありながら、背景となるドラマがしっかりと描かれているので、最後まで説得力を持った展開で飽きさせません。それもそのはず、ハリウッドでリメイクが決まったニューウェイブのタイ映画『レベル・サーティーン』のチューキアット・サックヴィーラクン監督が共同脚本を担当。さらに、パン・ブラザーズの『レイン』とそのリメイク『バンコック・デンジャラス』のディーチャー・スリマントラが撮影を担当し、アートなテイストを持つ映像に仕上がっています。
本作を観て、あのアンジェリーナ・ジョリーが、タイから同じトレーナー・チームを呼び寄せたという『チョコレート・ファイター』。本作の後は、あのトニー・ジャーとの共演も控えているというジージャーの、記念すべきデビュー作です。アクション好きなアナタ、とにかく強くなりたいアナタ、必見ですよ!(ジージャーのインタビューへ)
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