ジェイ・チョウ2年ぶりの来日公演は日本武道館
photo/Hiroaki Yoda
写真提供/ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
|
お次は、オリエンタル・チャイナな世界へ。「遥か彼方/千里之外」のイメージ映像をバックに、赤いドレスの二胡奏者が登場。続いて、長いフリンジのついた白い日傘の貴婦人たちが、ピンクのドレスで登場します。さらに、白い扇を兩手に舞うダンサーたちも。そこへ、白いスーツ姿のジェイが登場し、飛玉清とデュエットしているこの曲を優雅に独唱。歌い終って紹介された二胡奏者の方は、日本で活躍しているチェン・ミン(陳明)さんでした。
ここでMC。「僕は中国風の歌が好きです。次の歌はパパとママとおばあちゃんが好きな歌。なぜなら発音がいいから。はっきりと歌っているからです。僕の歌は発音がはっきりしてないからね」さらに「デモ、ソンナノ、カンケイナイ!」と日本語でかましました(笑)。そして歌ったのは新譜の「染付の花瓶」。あえて、かな〜りはっきりと発音していたのが楽しかったです(笑)。
中国風の雰囲気を踏襲したまま、次の間奏は「本草綱目」。ストリート風の衣装に着替えたジェイが登場して「本草綱目」を歌いながら、キョンシーダンスにボールを使った曲芸も披露し、ゲストの南拳媽媽を紹介します。
ここでゲストタイム。2年前に引き続き、弟分・南拳媽媽の4人が登場。「破暁」「湘南海鴎」を歌った後、MCではメンバーが日本で好きなものを紹介。タントウ(弾頭)はラーメン、ユーハオ(宇豪)は女の子がかわいい、そしてギタリストのチャン・ジェ(張傑)は、音楽が好きということで、大好きなミスター・チルドレンの曲を日本語で弾き語ってくれました。ちなみに進行役のLaraはフレンドリーなところが好きとのこと。最後はキャンパスロック風の「What Can I Do」。それまでのジェイのステージがきらびやかだっただけに、バンドもダンサーもないシンプルな構成がやや寂しかったのですが、メンバーはこの後のジェイのステージにも随所に参加して、盛り上げていました。
さて、また場面が変わります。今度は不穏なイントロと共にゴシックな世界へ。「夜の第七章」のイメージ映像が流れ、アーガイル柄のベストに、袖口に光る刺繍が入った白いちょうちん袖のブラウスを優雅に着こなしたジェイが登場。ずっと額を出していた髪型も変え、前髪がいつものように垂れさがっています。こちらはタントウ(弾頭)とLaraも参加。続いて、2人の女性ダンサーに囲まれ、椅子に座ったまま「夜曲/Nocturne」。そしてラテンナンバーの「ローズマリー」が続き、セクシーな衣装の男女が激しいダンスを繰り広げます。かなり濃厚なダンスの合間にジェイ退場。
暗転後に登場したのは、ジェイと南拳媽媽を含む7人。それぞれが楽器を手にずらっと並んで座り、アレンジ大会が始まります。まずはラップの名人タントウ(弾頭)とボイス・パーカッション比べ。続いて「忍者」の通常版を披露し、チャン・ジェ(張傑)がそれをロックンロール風にアレンジして聞かせます。さらに、チャン・ジェ(張傑)が母親に捧げたという曲も弾き語ってくれました。キーボード担当のユーハオ(宇豪)は得意の「スーパーマリオ」を、そして最後は、ジェイが「ヌンチャク」をフォーク風にアレンジして歌いました。
再び暗転し、南拳媽媽と登場したジェイ。「虹」「開不了口/言い出せなかった」と続き、「言い出せなかった」ではファンと大合唱に。歌い終って、アリーナから3階まで、フロアごとの声援比べをやってみるジェイ。一番声の大きかったところへ「後から何か投げるよ!」と期待させます。そして、「七里香/シルク・ジャスミン」で退場。事前にもらったセットリストによれば、ここまでが通常プログラムだったのですが、それらしき挨拶もなく、そのままコンサートは続きます。
しばらく間が空いて、客席からアンコールが聞こえ始めた頃、ドラマーがステージへ登場。2年前と同じく「周・杰・倫!」と、声援とドラムによるアンコールが起こります。すると、ジェイがドラムセットと共にステージ下から登場! ドラム同士のジャムセッションを披露してくれました。ドラムを叩いてる時のジェイの表情は、ちょっぴり得意気。そしてドラム合戦の後は、愉快な映像をバックに「明るいオタク」を歌います。ここでやっと、バンド・メンバーの紹介。もちろん、応援してくれた観客への感謝も忘れませんでした。そしてラストは、腕をぐるぐる回してバシッと締めました。
再びステージが暗転し、スクリーンでは懐かしい『頭文字D』の映像が流れます。見入っていると、津軽三味線の勇壮な音が響き渡り、ステージ中央にせりあがってきたのはなんと、金屏風をバックにした3人の三味線奏者。真ん中はジェイです。日本の楽器もやると言っていたのは、これだったんですね。まるでギターのように三味線をかき鳴らし、お見事でした。そして映画『カンフー・ダンク』の主題歌「周大侠」へと続きます。
そして、いよいよほんとうのラストステージへ。黒い学ラン姿のダンサーたちが登場すれば、曲はもちろん「霍元甲/フォ・ユアンジア」。(この頃、お母さまたちは静かに退場されました)ジェイは扇子を片手に高音で歌います。そして宣言通り、途中で扇子を客席に投げ入れました。続いてヌンチャクの人たちが登場し、ジェイもヌンチャクを振り回しながら東京音頭フィーチャーで「雙截棍/ヌンチャク」を披露。さすがに、ヌンチャクは投げませんでしたが、大きく盛り上がったところでステージはすぱっと終了しました。
最後は「バイバイ」の一言もなくあっさり終ってしまったのですが、これが今回のスタイルなのでしょう。とにかく、最後の最後まで盛り沢山の見どころ満載で、バラエティ性に富み、観客を楽しませることに徹したジェイらしいステージでした。
ジェイに関しては、これからも『王妃の紋章』『カンフー・ダンク』と映画公開が続きます。『不能説的秘密』も、いずれ公開が決まることでしょう。そうこうしている内には、次の新譜も出て…と、ファンの皆さんには、楽しみな1年となりそうですね。
続きを読む P1 > P2 ▼王妃の紋章記者会見
|