logo


ASICRO FOCUS file no.87

2007年の映画祭を飾ったゲストたち

 東京国際映画祭の提携企画として、昨年は東京・中国映画週間と香港映画祭が立て続けに開催されました。本祭でのゲスト来日が少なかった分、中華圏の映画ファンはこちらでおおいに盛り上がりました。とても真面目な中国の皆さんと、おふざけが大好きな香港の皆さんの対比もお楽しみください。

2007 東京・中国映画週間

舞台挨拶

舞台挨拶2
10/20から開催された東京・中国映画週間では、21日の『雲水謡』上映に合わせてゲスト一同が揃い、オープニングセレモニーが開かれました。(名前は拡大写真へ)登壇したのは、『雲水謡』のイン・リー監督、主演のチェン・クン。『コール・フォー・ラブ』のファン・ビンビン。『シャンハイ・レッド』のオスカー・ルイス・コスト監督とヴィヴィアン・ウー。そして、アニメ作品『勇士』のシー・イー監督。それに、日本からも俳優の西島秀俊が参加しました。チェン・クン「この映画を通して、美しい世界をお見せできればうれしいです。この映画が、中国映画の中でいい思い出になりますように」ファン・ビンビン「アジアの映画が世界へ羽ばたいていけるよう頑張ります」

イン・リー監督&チェン・クン チェン・クン&ファン・ビンビン オスカー・ルイス・コント監督&ヴィヴィアン・ウー

セレモニー終了後は、場所を移して記者会見。台湾のビビアン・スーと共演した『雲水謡』の出演について「撮影中、愛とは何かずっと考えていました。『雲水謡』は、時代を超えた愛を描くラブストーリーですが、私が一番感動したのは、スタッフ全員の映画に賭ける愛。チベットや福健といったきびしい撮影条件の下で、スタッフ全員が1つの思いでこの映画を最高のものに仕上げよう、最後まで撮影しようとする姿に感動しました。だから、この映画を通して得たのは、夢と愛です」とチェン・クン。インド系の端正なルックスは、『墨攻』以来の来日となったお隣りの可憐なファン・ビンビンと共に目立っておりました。一方、『宋家の三姉妹』で有名なヴィヴィアン・ウーは、西洋人のオスカー・ルイス・コント監督と共に大女優の雰囲気を醸しておりました。

香港映画祭2007

h2

h3
h1

香港映画祭は23日から3日間の開催。作品数は4本と少なめでしたが、オープニングの巨匠3人によるコラボリレー作品『鐵三角』で3監督が揃ったのは壮観。主演のルイス・クーもたじたじするほど。若手スター・トリオよりも目立っていたかも?

*写真左上と右:左よりジョニー・トー監督、ツイ・ハーク監督、ルイス・クー、リンゴ・ラム監督
*写真左下:お馴染みのショーン・ユー、ニコラス・ツェーに日本初お目見えのジェイシー・チェン

h4

上の写真は大きくなります。先に『鐵三角』グループの舞台挨拶があり、その後で『男兒本色』トリオが登場。3人が舞台挨拶をしている間、『鐵三角』組はおしゃべりに花が咲いて楽しそう。その後のトークでも、右のような有り様で…(笑)。それぞれにお茶目な監督たちでした。ルイス、困ってるでしょ?

h5
h6
h7
h9
*『鐵三角』の舞台挨拶は右欄をどうぞ。

●『男兒本色』舞台挨拶より
ニコラス「よくアクション映画と言われますが、ドラマもアクションだし、アクションにもドラマの要素があります。たとえば拳や手にしてもボディランゲージとして、何も言わなくても「殺すぞ!」という気合を表現できるんです。アクションだけに注目するのではなくて、映画全体を楽しんでください」
ジェイシー「どのシーンも一生懸命やりました。皆さんに気に入っていただければ、また東京に戻って来てご挨拶ができるので、そうなるよう期待しています」
ショーン「この映画の前の作品で髪をすごく短くしなければならなかったので、撮影中も3回くらい切りました。イメージ作りにも工夫しました。3人共、共演する前から大の親友なので、撮影中で退屈な時は、さあどうやって楽しもうかということばかり話してました」
アクション映画界の大御所ジャッキー・チェンがパパのジェイシーは、なるべくアクション映画は避けていたそうです。ジェイシーの出演作は11月の東京フィルメックスと中国映画祭でも上映され、再びゲスト来日しました。

h8

これは開会のテープが発射される直前の場面。右側の3人はその前に、ボイス・パーカッションを披露しました。ツイ・ハーク監督は耳を塞いでます(笑)リンゴ・ラム監督は拳をふりあげています(笑)ジョニー・トー監督の両手の位置が低いのは、かがんでいたからです(笑)3人とも子どもみたいですね(^^)


▲東京国際映画祭 ▼中国映画週間&香港映画祭 ▼東京フィルメックス&中国映画祭
更新日:2008.1.11
●back numbers
2007東京・中国映画週間
開催期間:10/20-28
会場:渋谷 Bunkamura
   シネマート六本木
   東京都写真美術館
上映作品&ゲスト一覧
雲水謡
・イン・リー監督
・チェン・クン

コール・フォー・ラブ
・ファン・ビンビン

勇士(アニメ作品)
・シー・イー監督

シャンハイ・レッド
・オスカー・ルイス・コスト監督
・ヴィヴィアン・ウー

ラブ・イン・ザ・シティ
レッド・ジャケット
彼らの船
圓明園
傷だらけの男たち



香港映画祭2007
開催期間:10/23-25
会場:渋谷 Bunkamura
   オーチャードホール
上映作品&ゲスト一覧
鐵三角/Triangle
・ツイ・ハーク監督
・リンゴ・ラム監督
・ジョニー・トー監督
・ルイス・クー

インビジブル・ターゲット
/男兒本色

・ニコラス・ツェー
・ジェイシー・チェン
・ショーン・ユー
*2008年公開予定あり

父子
天堂口



『鐵三角/Triangle』舞台挨拶
この企画の首謀者は?
ツイ:考え出したのは僕で、すぐにリンゴ・ラム監督とジョニー・トー監督に電話しました。

演出の順番はどうやって決めた?
ツイ:最初の3分の1を僕が撮って、問題をいっぱい残し、後は2人に考えてもらおうと。脚本もなく、僕が撮った3分の1に基づいて、後の2人がいろいろ助けてくれるというやり方でした。僕はリンゴ・ラム監督に難問を残そうと考え、またリンゴ・ラム監督もジョニー・トー監督に難問を残そうという風にして撮っていったんですよ(笑)

続きは難しかったですか?
リンゴ:いえ。難問は一切なく、むしろ、解決方法をいろいろ与えてくれました。映画は物語とキャラクターさえあればいいのです。ツイハーク監督は、しっかりとしたキャラクターを作ってくれていたので、とてもよかったです。

ファンが見れば、どこからがリンゴ監督で、どこからがジョニー監督かわかりますか?
リンゴ:おふたりの作品をよく見ているファンの方には、わかると思います。どうもわからないという部分が、僕の作品(笑)。注意深くご覧ください。

ラストはおいしい部分ですが、責任も重大ですよね?
ジョニー:いえ、むしろやりやすかったし、メリットもあります。僕の部分になると、もう人物も物語も出揃っているので結論だけ考えればいいのです。結論は僕が勝手に考えていいから、そういう意味ではとてもやりやすかった。

結論は相談なしで決めたんですか?
ジョニー:実は、ツイ・ハーク監督とリンゴ・ラム監督が(完成した)この映画を観たのは、カンヌ映画祭でした。その時点で、ああしよう、こうしようと言ってももう遅い。有無は言わせませんでした(笑)

3人の監督に演出される気分は?
ルイス:このような作り方は滅多にないので、いい経験になりました。たとえば、最初のパートを撮った時、次はどうなるのか監督にも聞きましたし、共演者たちとも次はどうなるんだろう?といろいろ議論しました。登場人物がどのように展開していくのか、議論を通して自分なりのアイデアも出て、いい意味での結果が出たと思います。

ずばり見所は?
ルイス:3人の異なるスタイルを持つ素晴らしい監督が、1つの作品を作り上げていくところでしょうね。
香港のおすすめスポット紹介
ツイ:西貢(サイクン)。シーフードレストランがたくさんあるし、船に乗って海に出るとリラックスしますよ。
ジョニー:九龍城(ガウロンセン)。安いものから、とても高いものまで、いろんなおいしいものを食べられます。
ニコラス:(日本語で)香港のヤキトリ。日本の焼き鳥とちょっと違う。でも、おいしいですね。一緒にいきましょう。
ショーン:映画撮影を観たければ、ぜひセントラルのランカイフォンへ行ってください。そこでよく撮影をしています。