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コンペティション部門では、アジアの新進監督たちによる10作品を上映。中東アジアは常連のイラン作品に加え、今年はカンヌ国際映画祭にも出品されたイスラエル作品が2本上映されます。特にカメラドールを受賞した『ジェリーフィッシュ』は気になるところです。
東アジアからは韓国、中国、香港、台湾からそれぞれ1作品と、香港・台湾合作によるケネス・ビー監督の『ドラマー』が上映されます。主演は、先日の東京国際映画祭で初来日を果たしたジェイシー・チャン(房祖名)。彼の主演作品は、同時期に開催される中国映画祭でも上映予定です。
香港からは、ジョニー・トー監督作品の脚本を担当している名コンビのヤウ・ナイホイが、初めて監督に挑戦したデビュー作『アイ・イン・ザ・スカイ』(原題) が上映されます。
リー・カンション監督主演の『ヘルプ・ミー・エロス』
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台湾からはツァイ・ミンリャン監督作品の常連俳優でもあるリー・カンションの監督2作目にして、ツァイ監督の『西瓜』並に大胆な映像で描かれる『ヘルプ・ミー・エロス』を上映。ツァイ監督も、美術面を担当しているそうです。
ほとんどの監督たちが来日して、ティーチインや無料のトークイベントを開催しますので、そちらの会場へもぜひ足を伸ばしてください。
特集上映では、サタジット・レイ監督と並び、芸術映画の雄として、インド映画史に独自の足跡を残す巨匠のひとり、リッティク・ゴトク監督の作品が、まとめて上映されます。昨年のチョンジュ国際映画祭(韓国)で特集され、再評価の気運が高まっているリッティク・ゴトク。出身地ベンガルの激動の歴史を背景にしたドラマを多く描いており、日本ではまだ1本しか紹介されていません。今回上映される4作品はすべてが初上映。同作品は、アテネフランセ文化センター(御茶ノ水)でも、 11/26・27に引き続き上映予定となっています。
★ご招待券プレゼントのお知らせ
「リッティク・ゴトク監督特集」から、『黄金の河』のご招待券を、5組10名様にプレゼントいたします。締切りは11/11の夜まで。ふるってご応募ください。
■ラインナップの見方とご注意
*上映会場は会場別に色分けされています。時間は上映開始時間です。
T印はゲストによるティーチ・イン、A印は舞台挨拶の予定がある回。(ゲスト情報は変更の可能性あり)
*最新情報については公式サイトをこまめにチェックしてください。
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ジェリーフィッシュ
Jelllyfish(07年/イスラエル/78分)
監督:エトガー・ケレト、シラ・ゲフェン
新婚夫婦、結婚式場で働く女性、フィリピンから来た女性の3組の物語を並行して語り、さまざまな人間模様をチャーミングなタッチで描く。カンヌ映画祭カメラドール受賞。
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20日:YAH 19:00T
22日:CQY 21:15
G:エトガー・ケレト シラ・ゲフェン
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テヒリーム
Tehilim(07年/イスラエル/96分)
監督:ラファエル・ナジャリ
父親の失踪で揺れ動くユダヤ教聖職者家族のドラマ。『アヴァニム』(第5回東京フィルメックス参加)のナジャリ監督の新作。カンヌ映画祭コンペティション部門参加。
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22日:YAH 15:20T
24日:CQY 21:15
G:ラファエル・ナジャリ
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ブッダは恥辱のあまり崩れ落ちた
Buddha Collapsed Out of Shame
(07年/イラン/81分)
監督:ハナ・マフマルバフ
19歳のハナ・マフマルバフ初の長編劇映画。バーミアン遺跡付近を舞台に、アフガンの少女の視点から戦争の無慈悲さを描く。
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21日:YAH 13:00
23日:YAH 15:50T
G:ハナ・マフマルバフ
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13歳、スア(07年/韓国/95分)
The Wonder Years
監督:キム・ヒジョン
主演:イ・セヨン、チュ・サンミ
13歳の少女の多感な日々を瑞々しく描いた、女性監督のデビュー作。主演は『僕が9歳だったころ』の名子役イ・セヨン。
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19日:CQY 21:15
21日:YAH 15:20T
G:キム・ヒジョン
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最後の木こりたち
Timber Gang(06年/中国/90分)
監督:ユー・グァンイー
極寒の中国・黒龍江省の山奥で、昔ながらの方法で森林伐採を行なう木こりたちの冬をとらえたドキュメンタリー。生活実態に鋭く迫り、非凡な映像センスが光る。
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21日:CQY 21:15
24日:YAH 10:20T
G:ユー・グァンイー
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アイ・イン・ザ・スカイ(原題)
跟蹤/Eye In The Sky(07年/香港/90分)
監督:ヤウ・ナイホイ
主演:レオン・カーファイ、サイモン・ヤム
ジョニー・トー作品の脚本家ヤウ・ナイホイの監督デビュー作。極悪犯罪集団を尾行する警察特殊捜査チームをスリリングに描く。
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23日:YAH 13:00T
G:未定
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ドラマー
戰・鼓/The Drummer (07年/香・台/119分)
監督:ケネス・ビー
主演:ジェイシー・チャン
香港で揉め事を起こし台湾に逃げた若者が、伝統太鼓演奏グループに出会い成長する。
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18日:CQY 21:15
21日:YAH 18:20AT
G:ケネス・ビー
ジェイシー・チャン
(Aのみ)
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ヘルプ・ミー・エロス
幇幇我愛神/Help Me Eros
(07年/台湾/104分)
監督:リー・カンション
主演:リー・カンション
監督第2作。絶望した青年が出会う恋と性愛を、奔放なヴィジュアル・イメージで描く。
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22日:YAH 12:30
23日:YAH 18:30T
G:リー・カンション
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むすんでひらいて
What the Heart Craves(07年/日本/98分)
監督:高橋泉
主演:-------------
デビュー作『ある朝スウプは』が国際的に高い評価を受けた高橋泉の新作。数人の男女の深層心理を緊張感に溢れた映像で描き出す。
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24日:YAH 13:10AT
G:高橋泉
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接吻
The Kiss(07年/日本/108分)
監督:万田邦敏
主演:小池栄子、豊川悦司、仲村トオル
死刑囚と彼に共鳴する女性、そして弁護士の想いが交錯する三角関係を描く。『unloved』の万田邦敏の長編3作目。
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22日:YAH 18:20AT
G:万田邦敏 小池栄子(Aのみ)
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非機械的
The Pathetic Fallacy(58年/102分)
監督:リッティク・ゴトク
おんぼろな愛車に、まるで人間のように話しかけるビマールは変り者扱いされているが…。タクシー運転手と愛車の奇妙な関係をコメディ・タッチで描いた、初期の代表作。
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20日:CQY 21:15
26日:AFC 16:50*
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黄金の河
Golden Line(62年/128分)
監督:リッティク・ゴトク
1950年代のカルカッタを舞台に悲劇的な運命を描く。シュボルノレカ河のほとりで、ある兄妹が、身寄りのない少年とともに成長し、壮大なドラマが展開する傑作。
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*招待券プレゼント作品
19日:YAH 15:00A
G:リトポン・ゴトク
27日:AFC 19:00*
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ティタシュという名の河
A River Called Titash(73年/159分)
監督:リッティク・ゴトク
驚くべき映像に彩られた叙事詩的大作。1930年代の東ベンガル、ティタシュ河流域の漁村の暮らしとともに、ある男女の波乱万丈に満ちた物語を描く。
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20日:YAH 15:20
26日:AFC 19:00*
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理屈、論争と物語
Reason, Debate and a Story(74年/120分)
監督:リッティク・ゴトク
1971年激動のベンガル地方の反地主運動の過激化を背景に、混沌とした状況に鋭く迫る。監督自らが主人公を演じており、最後の長編劇映画となった重要作品。
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25日:YAH 10:20
27日:AFC 16:40*
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*アテネフランセ文化センター(お茶の水)での上映予定。
▼特別招待作品 ▲コンペティション作品 ▼中国映画祭2007
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更新日:2006.11.10
●back numbers
■会場リスト
YAH:有楽町朝日ホール
CQY:シネカノン有楽町
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ご招待券プレゼント!
インドの巨匠リッティク・ゴトク監督の1962年の作品『黄金の河』(19日15時〜・ご子息のリトポン・ゴトク監督による舞台挨拶付)のご招待券を5組10名様にプレゼントします。ご希望の方は「お名前・送り先・電話番号」を書いて、「『黄金の河』招待券プレゼント」というタイトルでメールをお送りください。
*締切:11月11日24時着
■トークイベントの予定
Marunouchi Cafe
*入場無料(事前申込制)
*お申込みはこちら。
11/21 19:00(60分)
それぞれのシネマ
登壇:ハナ・マフマルバフ
飯田昌宏
11/22 19:00(60分)
それぞれのシネマ
登壇:リー・カンション
安田芙充央
朝日ホール・スクエア
*入場無料(先着順)
11/21 17:20(40分)
香港映画最前線
登壇:ケネス・ビー
ジェイシー・チャン
11/23 12:00(40分)
映画の未来へ/子どもと映画
登壇:ハナ・マフマルバフ
11/23 17:40(40分)
イスラエル映画最前線
登壇:ラファエル・ナジャリ
エドガー・ケレト
シラ・ゲフェン
11/24 12:30(40分)
中国ドキュメンタリー映画の現在
登壇:ユー・グァンイー
■シンポジウムの予定
11/19 17:40(80分)
インドの伝説的巨匠
リッティク・ゴトクを語る
会場:朝日ホール・スクエア
登壇:リトボン・ゴトク、臼田雅之、松岡環
■その他の上映作品
特集上映 山本薩夫
ザッツ「社会派」
エンタテインメント
・戦争と平和(47)
・赤い陣羽織(58)
・荷車の歌(59)
・忍びの者(62)
・赤い水(63)
・傷だらけの山河(64)
・にっぽん泥棒物語(65)
・スパイ(65)
・白い巨塔(66)
・にせ刑事(67)
・座頭一牢破り(69)
・ボタン燈籠(68)
*『忍びの者』以外はすべて
ニュープリント上映。
会場:
東京国立近代美術館フィルムセンター大ホール(京橋)
●お問合せ
東京フィルメックス事務局
TEL/03-3560-6393
http://www.filmex.net
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