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左より ユン・ウンギョン(脚本) キム・ウニ(脚本) ヒョンビン(主演) イ・ヒョンミン(監督)
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キム「私も今、ヒョンビンさんと監督がおっしゃったシーンが、涙が出そうなくらい大切です。それと、このドラマを見た時、最初の方でこのドラマにのめり込んでしまったところがあります。それは、ヒロインのボラが自殺しようとしている時に、テウンが止めに来るシーン(第2話)です。テウンはタクシーに乗り、海辺を走ってボラのもとへ行くのですが、あのシーンではヒョンビンさんの目の演技が素晴らしかった。
ヒョンビンさんの目は、とても強くて男らしく、時には冷たい感じもする、いい目なのですが、あのシーンではテウンというキャラクターの持っている姿を、すべて目の演技だけで見せてくれた気がして、とても印象的でした。ボラという女性は、自分の大好きだった友だちを失ってしまい、その喪失感や後悔の気持ちから自殺しようとするのですが、テウンがなんとかして彼女を助けようとする心模様も、悲しい目でうまく表現してくれました。その部分は、台本の中ではト書きで簡単にしか書いていなかったのですが、テウンの悲しみが、目の表現で輝きを持ったシーンになり、とても印象に残っています」
ユン「第4話に出て来るシーンが気に入っています。ヒロインのボラが、初恋の相手がテウンだったということを知る場面です。なぜわかるかというと、『雪の女王の物語をなぜ知っているの?』とボラが尋ねた時に、テウンが『昔、話をしていた少女が教えてくれたんだ』と言うんです。そのことで、ボラは『この人だったんだ』と気づくのですが、そのシーンを見た時、まるで忘れていた記憶を思い出させてくれるような気がしました。その時に、テウンが8年間悩んで来たことを話す部分もあるのですが、その8年間の歳月のディテールの部分までセリフに込められているようで、とても好きで何回も見てしまいます」
司会「では皆さんを代表して、このドラマの見所をお願いします」
ヒョンビン「ほんとうに見所満載のドラマです。なによりも、キャラクターのそれぞれがまるで生きているかのように生き生きしていますし、俳優ひとりひとりの演技もとてもいいと思います。キャラクターの中から多くのことを感じられるドラマです。『雪の女王』はご存じのように、アンデルセンの童話をモチーフにしたものなのですが、多分幼い頃は誰でも童話を読んだことがあるでしょう。大人になってしまうと、どうしても読む機会が少なくなりますが、誰でも童話には少なからず接していると思います。だから、年輩の方でも、まるで童話を見ているような印象でドラマを見ることができます。
それに、先ほど監督が言っていたように、最初のシーンはニュージーランドで撮影したのですが、おそらく他のドラマではなかなか見られない映像がご覧になれると思います。ある意味、映画よりも素晴らしい映像美が、このドラマの中で楽しめるのではないでしょうか。最初のニュージーランドのシーンから始まって16話に至るまで、1本のドラマの中で、漫画と童話と映画を一度に楽しめるような作品になっていると思います」
ここからは質疑応答に入ります。
Q「ヒョンビンさんは、撮影が終わった後もなかなか役柄から抜けられないそうですが、今回はいかがですか? それと、髪の毛を伸ばしていらっしゃいますが、これは次の役作りのためですか?」
実は、後ろで髪を束ねているヒョンビン (前夜祭のフォトをご覧下さい)
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ヒョンビン「やはり3〜4ヶ月の間、1つの役柄になっていると、作品が終わったからといって、すぐにそこから抜け出すのは難しいと思います。それは僕だけではなく、どの俳優も同じことでしょう。未だにどこかで、今回のキャラクターが残っている部分がありますし、時にはちょっと悲しい気分になったり…と、まだどこかに残っていると思います。
髪を伸ばしているのは、次の作品が決まっているからではありません。次にどんな作品が来るかわからないので、もし髪の長いキャラクターだった時に、髪を切っていると対応できないので、そういうことを考えて少し伸ばしています」と、この日はやや伸びた髪を、後ろで軽く束ねていました。
Q「この作品で、ヒョンビンさんのどういう魅力を引き出そうとしましたか?」
監督「私は俳優そのものの持つ印象や雰囲気を大切にしています。私が考えるいい俳優の条件とは、一見普通だけれど、ある瞬間、役に成りきれるということ。ヒョンビンさんはほんとうに堅実で、誠実な俳優です。今回は、古びたジムの3流ボクサーという役で登場してもらいました。ボクサーといっても、スパーリングの相手をするような、ほんとうに3流のボクサーなんですが、目の演技が気になっていました。また、8年間も数学者になるという夢を諦めていた、そういう気持ちを、テウンになってどういう風に表現するか。また、アウトサイダー的な立場にいた1人の男性が、ボラという女性と会って悲しい恋をします。その時に、眼差しがどういう変わるのか、とても気になっていました。どうか皆さん、ドラマの中でヒョンビンさんがどういう演技をするのか、発見してください」
ユン「実は初稿の段階からヒョンビンさんをイメージして書いたので、今回はアテ書きなのですが、実際にヒョンビンさんに演じてもらえてほんとうにうれしかったです。私たちは頭の中のイメージをシナリオにする訳ですが、それを俳優さんが実際に演じるので、どんなキャラクターを起用するかによって、流れ自体が変わって来るのです。今回はヒョンビンさんが素晴らしい演技を見せてくださり、全体の流れを引っぱっていってくれました。ある人がヒョンビンさんのことを『やさしいカリスマ』とたとえましたが、私たちも同感です。最初に私たちが思っていたキャラクター以上のものを、作ってくれました。とてもやさしくて悲しいテウンというキャラクターが生まれたのは、ヒョンビンさんの力。このような素晴らしい俳優さんと出会えて、ほんとうにうれしいです」
Q「このような皆さんと一緒にお仕事をして、どんな発見がありましたか?」
ヒョンビン「ほんとうに楽しかったです。監督はきっちり準備をする方で、撮影前もそうだし、撮影中もほんとうに苦労が多いにも関わらず、きちんと準備していました。音楽のチェックから始まって、やることがたくさんありますから、かなり寝不足だったと思うのですが、作品のために苦労を惜しまず、準備を一生懸命していました。俳優の面倒もよくみてくれました。監督が気楽な雰囲気を作ってくれて、自由に演技できるような環境を整えてくれたので、楽しく撮影できました。本当に素晴らしい方です。
お2人の脚本家の先生たちとは、自分はまだそれほど多くの作品経験はないのですが、今までに出演した作品の中で、電話で話した回数が一番多かったと思います。台本を読んで、自分がどういう風に演じたらよいかわからない時、電話して聞いたり、それ以外にも電話をしたことはありますが、電話でお話した時間はとても大切でした。お2人が気楽に接してくださったから、キャラクターにすんなり溶け込むことができたんです」
最後は韓国の記者からで、韓国と日本の記者会見での印象の違いは?という質問でしたが、たくさんの方に見て欲しいという気持ちは、まったく変わりません、というお答え。
ヒョンビン「韓国ではないので新鮮な感じもしますが、人と接する気持ちは同じです。日本の方たちにも、ぜひこのドラマを楽しんでいただきたいと思います」
という言葉で締め括りました。放送はすでに2話まで進んでいますが、主人公の運命が動き出すのはこれから。会見でも皆さんが触れているように、たしかにヒョンビンの目の演技が印象的です。なかなか気合いの入った展開になっていますので、まだ未見で興味を持った方は、ぜひ公式サイトで最初の2話をチェックしてから、続きをお楽しみください。(前夜祭へ)
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