監督「おふたりが美しくてかっこいいので、現場では嫉妬心を感じながら仕事をしていました(笑)」
Q:60年代を演じて難しかったことは?
ビョンホン「その時代は生きていませんが、ある程度はぼんやりと察することができました。子ども時代に、60年代の残像のようなものが残っていたんです。映画には当時の具体的な状況がたくさん描かれています。イデオロギーの対立によって、ある人はスパイ罪に問われたり、監獄に入れられたりしたのですが、そういう状況は今の時代ではなかなか理解できないでしょう。私がある程度理解できたのは、小学生の頃に歪んだ反共教育を受けた最後の世代だったからです。今は開かれた時代なので、何が真実なのかわかるようになってきましたが、子どもの頃そういう誤った教育を受けていたので、当時の状況が理解できたんです。
難しかったのは、当時の人たちをどのように表現して演じるかということ。人間は、時間や場所が違っても、基本的な感情はある程度は同じでしょう。違いがあるとすれば、当時は『純情』が残っていたように思います。今の時代の美徳が『クールなこと』だとすれば、当時の美しい愛というのは『純情』だったと思います。その点を考えながら演じました」
スエ「1969年がどんな時代だったのかに好奇心はあったのですが、まったく知りませんでした。今回の映画はメロドラマで愛がテーマなので、時代背景よりも、当時の人がどんな恋愛をしていたかを自分なりに研究しました。その結果、当時の人も今の人も、愛に対する姿勢はあまり変わらない、男女が出会って恋愛するのも変わらない、と思いました。当時の人の方が今の人より純粋だったのでは?という点についても、変わらないと思います。恋愛は今も昔も同じという気持ちで、そこに重点を置いて演じました」
Q:お二人自身の初恋について教えてください。
スエ「経験はあります。ずっと片思いで、心の中で思っていました。実は初恋の人のルックスが、イ・ビョンホンさんにそっくりなんです。撮影が始まってからそのお話をしましたが、おかげで感情移入がすんなりとできました(笑)」
ビョンホン「それはスエさんが、日本で話題を作ろう思っておっしゃったのでは(笑)。私にも初恋の思い出はありますが、心の中に大切にしまっておきたいので、ここでお話することは控えます。ごめんなさい」(続きを読む)
続きを読む P1 > P2 > ▼作品紹介 | ▼墨攻ページへ