時の流れに身をまかせ
テレサ色に染められてみよう
2007年5月17日
アジアの歌姫と呼ばれたテレサ・テンがこの世を去って、12年の歳月が過ぎましたが、今も多くの人々に慕われ続けています。国境を越えて愛された彼女の歌声に心癒された人は、日本にもたくさんいることでしょう。今月は、そんな彼女をテーマにしたレストランをご紹介しましょう。
上海の地下鉄2号線も終点に近い「威寧路」(ウェイニン・ルー)駅から歩いて10分、学校や幼稚園が並んでいる静かな街並みの中に見える紫色の建物、それが「酒家」(リージュン・ジィウジィア)です。平日の昼間はさほどでもありませんが、夜や休日はテレサのファンで賑わっています。
テレサと彼女の歌をテーマとしてレストランを開くことは、2006年に弟の長禧さんが上海を訪れ、ファンと対面した際に決まったそうで、麗君文教基金会(テレサの遺志を引き継いでさまざまな活動を行っている財団法人)の正式な許可を経て、今年の4月末にオープンとなりました。オーナーの王さんも、もちろんテレサの歌迷(グーミー=ファン)です。
店名になっている「」(リージュン)とはテレサの本名。テーマカラーとなっている紫色は彼女が好きだった色で、外壁も店内もその紫色に包まれています。店内には歌が流れ、たくさんの写真やアルバムが飾られており、どの席に座っても、そばでテレサが微笑みかけてくれています。個室には「小城故事」「甜蜜蜜」「夜来香」「材水一方」とそれぞれ彼女の歌の名前がつけられています。
開店以来、多くのファンに持ち去られてしまったというメニューには、テレサが大好きだったという10種類の料理と5種類の点心がある他、たくさんの上海料理が用意されています。今回は、そのお気に入りのメニューから「空心牛肉絲」(空心菜と牛肉の細切り炒め)と「葱油餅」(ねぎのおやき)を注文してみました。いずれも私たち日本人の口にもあう食べやすいもので、価格も大変良心的。庶民でも気軽に楽しめるように配慮されています。
さらにうれしいことに、店内の写真撮影も可能ですので、テレサと記念写真を撮ってみたかったあなたはぜひともカメラを忘れずに。
テレサが愛してやまなかった上海、しかし、さまざまな事情から彼女は生前にこの地に立つことができませんでした。ですが今、こうして時を経て多くの人々に愛されながら、彼女は上海の街にいます。テレサの愛らしい表情、美しい歌声に触れたくなったら、あなたもぜひここを訪れてみてくださいね。
|