あなたも私も映画スタア
−上海影視楽園−
2006年10月10日
国慶節の休暇は終わりましたが、上海の街には国内外を問わずたくさんの観光客が訪れています。今月は、大変有名な場所ながら実は穴場なのよ、という観光スポットをご紹介します。
上海市中心部から車で約1時間ほどの場所にある「上海影視楽園」は、上海電影(集団)公司と上海電影制片厰が、映画撮影と観光、文化伝播を目的に建設したテーマパークです。実際にここで映画やテレビドラマの制作が行われているため、運がよければ撮影に遭遇することもできます。
園内へ入っていくと、まず左手に洋館が見えてきます。中では「上影服道選粋」というさまざまな衣装の展示や、洋館の室内、古い街の店屋などの室内セットの展示を見ることができます。
このエリアの目玉はマーラー邸。上海にやって来て、競馬に始まり造船や貿易で財を成した英国籍ユダヤ人のエリック・マーラーが、自分の愛娘が夢の中で見た風景を元に造った、北欧建築様式の建物です。実際の建物は、上海中心地の延安中路沿い陝西南路に現存し、ホテルとして利用されています。私が訪れた日には、この中でドラマ『紅粉』の撮影が行われていました。
洋館エリアの南側には、1930年代の南京路が広がっています。趙薇(ヴィッキー・チャオ)や古巨基(レオ・グー)でおなじみの『情深深雨蒙蒙』や、現在上海で放映中の陳坤(チェン・クン)、孫儷(スン・リー)主演の『風雨西関』などなど、たくさんの作品の中でこの場所が使われています。他にも歩いて回れば、あの作品、この作品…と、いろんな場所が少しずつ使用されていることがわかります。
さらに南京路沿いの路地を入っていくと、そこは上海建築の特徴とも言える「石庫門弄堂」が。弄堂(ロンタン)とは袋小路、小巷のことを言います。このエリアも、いろいろな作品の中で登場しています。
弄堂を抜けて西へ出ると、車などの大道具が雑多に放り出されている空き地に出ます。そこも注意して見てみると、救急車だったりサイドカーだったり、面白いものが見つかります。
園内敷地の東側、「浙江路鋼橋」を渡ると「老街」と呼ばれる古い街並み。「當」のマークの質屋さんが印象的です。この辺りでは、小道具を作る職人さんの姿を見ることができます。また、午前10時半と午後1時半には映画『上海灘』のショーもありますよ。
もちろん、中華作品にまったく興味のない方でも楽しめます。洋の東西を問わず、クラシックな装いできめて、遊びに来てください。動画を撮影するもよし。写真を撮影するもよし。きっと、素敵な思い出の記録ができることでしょう。
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