地図をいかに使いこなせるかが便利さの鍵
〜上海バス事情(2)〜
2006年3月27日
上海のバスはクモの巣のように縦横無尽にのびているため、どんなに交通渋滞で待たされようと庶民の足としての地位を守り続けています。最近は上海でも地下鉄が整備されてきて、通勤族の重要な足となっていますが、区間によっては割高になることもあり、利用率はバスの方が優位にあるといえます。さらには昨年、地下鉄料金が引き上げられたこともあり、バスの乗車率は以前にも増して上がり、増便しても追いつかない時間帯が出てくることさえありました。
そんな上海のバスを乗りこなせれば、あなたも立派な上海通。まずは、地図を読めるようにならねばなりません。そこでお薦めしたいのが、2004年に彗星のごとく登場したの『上海緑頁』と『上海公交換乗指南』という2冊の本。ポケットに入れるにはやや大きく重たいものの、女性のハンドバッグにもすっぽりおさまるサイズで、バス路線が路線図付で細かく解説してあり、どの停留所でどのバスと乗り継ぎできるか、バス停がどの位置にあるのかなどが一目でわかります。おかげで、私たちのような外国人にもバスの利用が大変便利になりました。
しかし問題もあります。上海は建物や道路の工事がない日は存在せず、毎日どこかが変化し続けています。先週までこの道を走っていたバスが、翌週には停留所に黄色い移動通知の札が出るだけで、ルートを変えてしまうこともしばしばです。そんな場所ですから、地図は年4回程度内容を更新して発行しても追いつきません。という訳で、最新版が出た時にはすでにその内容が使えない場所も多々あります。それだけ、上海の変化がめまぐるしいということでしょう。
それでも最近は、次のバスが何分後に到着するのか、今どこまで来ているのか、などを表示する電光掲示板を設置した停留所ができたり、利用者の利便性を重視し始めている様子もうかがえます。バスの車体自体も徐々にいいものに換わりつつあり、乗り心地もよくなってきています。
廃止されるはずだったトロリーバス(電車:ディエン・チャー)も、排気ガスを排出しないことから廃止は見送られ、現役でがんばっています。もう一部のエリアにしか残っていませんが、ガチャガチャ、ウィーンという独特の操作音を聞きながら街を進んでいくのもなかなか楽しいものです。
タクシーに乗って移動するのは簡単便利ですが、上海旅行へいらした時には、ぜひ街角の雑誌スタンドで交通図を手に入れて、上海通を気取ってバスに挑戦してみてくださいね。でも、旧正月前のバスはスリがいるので要注意ですよ。
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